2008年9月22日月曜日

040:粘(藤野唯)

粘性がないのでこの手を離したらあとかたもなくいなくなります

2008年9月21日日曜日

039:王子(藤野唯)

言いたくはなかったけど聞こえてほしい八王子駅でつぶやいた「たぶん」

038:有(藤野唯)

その部屋の中で笑っていたかった 有り合わせの幸福だとしても


2008年9月19日金曜日

おくれました。

ひからびたものをそれでもふた月に一度くらいに分けて捨ててる

どこまでも空っぽの君を毛布より欲しくてすがりついていた理由

いつまでも優しいままで罪悪感を育てさせてつぶしてしまった

泣かないと思っていた だからどこまでも愛していいと思っていたんだ

無理やりに沈めたものから追うように空気があふれて止まらなかった

知られたくなかった 光のひとつさえ見つけられずに一緒にいたこと

無罪

許すことが出来なかった笑うことも出来なかった無罪だとしても

いないときに限ってなにか大切なものをぽろぽろ思い出してる

抱きしめて泣いたあのとき 世界からやさしいものを忘れていたんだ

壁に手を両手をつけて下向いて 聞こうとしていたのは誰の声?

もううまく思い出せないけれどたぶん私以外は灰色だった

泣き止んだあとの頭痛を憂いながら泣き続けていたピンクの12時

嘘だって言われるのを待っていたけれど 何が嘘でも信じなかった



2008年9月7日日曜日

037:V(藤野唯)

でたらめな鼻歌に笑う散歩道 繋いだ手と手でつくるVの字

2008年9月5日金曜日

036:船(藤野唯)

港に着いた船を見て泣いていたんだ この踵はもう下ろしてもいい