2009年8月31日月曜日

Unknown

鑑賞始めました。
完走できるかわかりませんが、たくさんの方の歌を読んでいきたいです。
この記事では、言葉の選び方がすごいなあとか、好きだなあと思った歌をあげていきます。
失礼等あるかもしれませんが、
よろしくお願いします。



+++



001*笑

やわらかなキッシュの微笑なのでしょう二人の育む言葉の川は(行方祐美)
やさしい空気。

不用意に受け取ってきた微笑みを並べて冬の星座にかえる(新井恭子)
「受け取ってきちゃった」ことに共感。

三日月が笑ってみてる冬空の彼方に消える消える危機感(斉藤そよ)
危機感が意外。

笑われて生きてきました。趣味・特技、特にないです。処女じゃないです。(星野ぐりこ)
初見から度肝をぬかれました。いっきに覚えてしまう。



002*一日

波の数かぞえて冬の砂浜の一日が過ぐ 卵を探す (新井蜜)
夜か明け方かなあ。すごくすきです。

しない日は食べない、だっけ、二人して無花果一つ食べた一日 (木村比呂)
上句も、無花果もいいです。

乳白の花になりたいあの肩にふりそそぎたい終の一日 (田丸まひる)
きれいな画がすんなりうかびました。



003*助

助手として残ることにしたんだねひとつの終わり五年目の春(藻上旅人)
さびしいかんじがすきです。

補助なしでさかあがりしたとき見えた世界のように君が手を振る (ゆず)
ゆずちゃんは「世界」を使うのがうまいと思う。

謝罪からはじめる人についていく宇宙のちりを見る介助犬(日高裕生)
不思議な空気だけど、宇宙が出てきたのがすごい。

くつずれをかくして笑う小春日の坂道いつも助けられてた(はせがわゆづ)
すべてが好みでした。



2009年8月27日木曜日

Unknown

手に入れたくて手に入れたくて掬っても水はそんな色じゃなかった(藤野唯)



かとちえの短歌色物語 最終回テーマ「紺碧」にて、拾っていただきました。
ついに最終回です。
短歌daysにはじまり、短歌教室、短歌ストーリー、短歌色物語、
じつは最終回には採用されない法則があったのでどきどきしましたが、
よかったです。
出血大サービスの力ですね!

歌はもっとさびしさというか、静かさを出せればよかったなあと思ったんですけど、
結局ストレートな文にするしかできませんでした。うーん。


じつはアンコール連載になってから、一度も投稿していませんでした。
更新されても、読みにいきませんでした。ごめんなさい。
そのころ採った採られただとか、採られるための歌だとか、
そういうことようなことに、ちょっと自分の中で葛藤(っていうほどのものじゃなく単なるぐちゃぐちゃ)があったからです。
ちょっと落ち着いたことと、
感謝の気持ちを伝えたいのもあって投稿しました。

かとちえさん、おつかれさまでした。そしてありがとうございました

これからのご活躍もたのしみにしていますね!


2009年8月25日火曜日

万年筆

今年、はじめての万年筆を買いました。
先月に、少しだけ早い彼の誕生日に、なぜかお揃い色違いで。
馴染みのないものだったので、
使いこなせるか、好きになれるか不安でしたが、
慣れないながらも仕事のノートに毎日使って、
今日1本目のインクを終えました。
彼は既に3〜4本目に入ってるみたいですが。

大人になったので、すこしだけいいものにした。
こんなに高いプレゼント買ったことなかったけど、
大切にすればずっと使えるだろうから。
木材なので、使い込んで色が出てくるのが楽しみです。


離れてるふたりのためにお揃いの万年筆はやさしくにじむ(藤野唯)



+++

題詠を走り終わってやっぱり力が抜けてしまった。
まだまだたくさん詠みたいけど、どうしよう。

2009年8月22日土曜日

見沼田圃の畔から

完走いたしました。

今年から社会人になったので、どうなるかと思っていましたが、
去年よりペースを上げて完走することができました。

100首のトラックバックを確認しながら、詠んだ歌を思い出しました。
性、普段言えないこと、好きな人のこと などなど、
今年もたくさんの歌が詠めました。
よかった


また今年も終わってさみしくなるなー!
終わったけど、たくさんまた短歌を詠みたいです。

100:好(藤野唯)

取り消せないふたりにちゃんと朝は来て あなたの「好き」にうなずきました

099:戻(藤野唯)

少しくらいさみしくなってくれますか 年賀状が戻ってきたら

098:電気(藤野唯)

あなたとの静電気だけ都合いい解釈をして走り出す冬

097:断(藤野唯)

切断はできなかった もういちど抱きしめてしまう前に捨てよう

096:マイナス(藤野唯)

プラスマイナス0になると思ってるわけじゃないけど仕返ししたい

095:卓(藤野唯)

君じゃない男の名前をひさびさに卓上カレンダーに書いている

094:彼方(藤野唯)

彼方って言葉を使わないようにしていたほんとに届かなそうで


093:鼻(藤野唯)

ふと思い出して会いにきたよってその鼻にかいてあるよばーか

092:夕焼け(藤野唯)

沈黙が大丈夫になり始めててふたりでまっすぐ夕焼けをみる

091:冬(藤野唯)

冬眠はできない だからあの人と彼女のことも見なきゃいけない

090:長(藤野唯)

長い長い夜にそなえて考えないようにしてきたあなたのことを

089:テスト(藤野唯)

日本史のテストがあってきみの名を書かないように必死だった

088:編(藤野唯)

あの日から編みつづけてる恋がある 渡せなくても知られぬように

087:気分(藤野唯)

今そんな気分じゃないといえばそう これからもずっと嫌いだけれど

086:符(藤野唯)

あのひとの恋にはこたえられなくて 8分音符の流れが止まる

085:クリスマス(藤野唯)

ひとりしかいないあなたはあの人を選んでにじむクリスマスの夜

084:河(藤野唯)

みずからの心のせまさを知っていてさらさらとゆく河をみている


083:憂鬱(藤野唯)

憂鬱な気持ちを隠そうともしないあなたの背中を見ているしかない

082:源(藤野唯)

源に思いをはせる 終わらない情熱のなか意識がとおい

2009年8月17日月曜日

081:早(藤野唯)

早熟のいとこの赤い肩ひもがずれる 「パパには絶対内緒よ」

080:午後(藤野唯)

べったりとはりつく午後だ きみのこと離れなくって買ったサイダー

079:恥(藤野唯)

恥ずかしいだけの思い出もあなたなら話してみよう 梅酒ください

078:アンコール(藤野唯)

合格と共に貼り出された名前見るたび願っていたアンコール

077:屑(藤野唯)

糸屑をあなたの肩から取り払うだけで頭をなでられている

076:住(藤野唯)

一回は叶わなかったものたちを持ち合ってまたはじめる住処(すみか)

075:おまけ(藤野唯)

喜ぶと思うんだろう 毎日のおまけのようなメールする君

074:肩(藤野唯)

いつかまた静かな雨のふる夜は私の肩を抱きたがってね

073:マスク(藤野唯)

いつだって明日(あす)から会えないかもしれない マスクを取ってキスする男

072:瀬戸(藤野唯)

瀬戸際にあなたを一緒に追いつめた彼女と今も仲良しでいます

2009年8月13日木曜日

Unknown

ほんとうはなにをしたいの 夏がすぎ痩せてしまった腕をみている

070:CD(藤野唯)

すっかりとほこりをかぶった思い出をCDコンポと分かち合う夜

069:隅(藤野唯)

乗り換えのアナウンスにしおりをはさむ あなたの隅にいるひとを思う

068:秋刀魚(藤野唯)

いまさらな話をしよう 夕食にあなたの好きな秋刀魚を食べて

2009年8月11日火曜日

067:フルート(藤野唯)

フルートが音楽室から聞こえててあの日好きって言いそうだった

066:角(藤野唯)

傷つけることも出来ないこの角(つの)をまあるくするよう乳液を塗る