2010年12月20日月曜日

おすそわけ 第29回「電話」

ひたすら寄り添って



イマイさんへ。


早いもので、もう年末ですね。
今回が今年最後のおすそわけかなと思います。

コインランドリー、実は使ったことがないので、ちょっと憧れます。
よく乾燥機の前で本を読んで待っているひとがいますが、
イマイさんもあんな感じかなあ、と思ったりして。

電話ですが、割と好きです。
携帯電話を使うのはメールの方が圧倒的に多いけれど、
電話じゃなきゃだめなときもたくさんあった気がする。

今回は友達の話をします。
私はプライベートな付き合いが苦手というか、つまり友達が少なくて、
携帯を使う相手もごくごく限られています。
高校からの付き合いの彼女とは、
頻繁ではないのですが、お互いメールや電話をたまーにする仲です。

彼女は同じ部活の子でした。
だからといって当時からものすごく仲良しだったわけでもなく、
いや仲良しに見られていたけれど、やっぱり私がプライベート下手なのもあって、
喧嘩とは言わずともいろいろありました。
けれど、当時の部活仲間で、
連絡を取ったり、年に2〜3回今でも会い続けているのは彼女だけです。


高校を卒業してからは、住んでいる距離にしてはまあまあ近かったけれど、
毎日会う場所がなくなった私たちをつなげるのはやっぱり電話でした。
電話をしつつも私たちはほかのこと(ネットとかテレビとか)をしてたりして、
でもまじめな話になるとテレビを切ったり、
1時間も2時間も話題を変えつつ話し続けます。
今見てるドラマの話や、最近の趣味や、仕事のこともなんでもかんでも。
ひとしきり話し終わった後で、話し残したことがないかを確認して、よし寝よう、と電話を終えます。


お互いに恋人のことで悩んだ夜や、その恋が破れた夜も電話をしました。
ひどい振られ方をして彼女に電話をかけ、散々話をきいてもらったあとに、
私がそれでも翌日までに書かなきゃいけないレポートがあると言ったら、
「よし、じゃあ今夜は課題やりつつ私も付き合う」
とメールをくれて、ほんとに私が寝るまで付き合ってくれたこともあります。
徹夜はもしかしたら恋人よりも、女友達のためにするものかもしれません。

彼女は私が弱っているときに、
元気になれとか前向きに考えろとか、気が重くなることは言わないでいてくれます。
悲しいなら悲しいねとひたすら寄り添ってくれて、
それがわかってるから、そうしてほしいから彼女に電話するのだろうなと思います。


腐りきった恋に別れを告げた日に「がんばったね」と ともだちのこえ(藤野唯)



*



冒頭にも書きましたが、年内のおすそわけはこれで終わりです。
来年もゆっくりゆっくり続けていけたらと思います。
次は新年、あわせて第30回です。めでたい。
そんなわけで次回のお題はイマイさん大好き「日本酒」です
今からものすごくたのしみです!

更新は(新年だからどうかな)約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年12月7日火曜日

おすそわけ第28回のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第28回が更新されています。
お題は「冬じたく」です。

ちょっと予想外な冬じたくのお話でした。
私もやってみたくなってしまった。

ぜひご覧になってくださいね。


2010年11月30日火曜日

Unknown

今年はみなさんがそうしているように、100首並べてみます。
前半のとか、もう去年のじゃないかという気分で眺めました。

100番目のお題「福」が、1首目に詠み込まれていて、
なんだかふしぎな気持ちになりました。







祝福をされたくて買う春キャベツ 今日はどんな話をしようか

暇だねと言い訳をして寝るふたり しあわせとは無意識であること

土曜日はよそ見をしよう公園にバドミントンを持って出かける

いつだって疑わない君とこのまま忘れていきたい感情もある

湖のボートに乗り移るみたいに抱きしめられて波が生まれる

見逃したサインも互いにあるだろうけれどめげずに寄り添っていく

2ヶ月に一度くらいはしおらしい女になろうと決意している

南北へのびる国道を横切る 明日には帰るきみの手のひら

あなたとの子供をいつか産むのだと気付かされ摂る多めの野菜

持ち寄って手をつなぎました 他の誰かの幸せを祈ったかけら

誰のためでもない空は青くってふたりは今日もふたり語を話す

穏やかなあなたが真面目になるときの「君(きみ)」を好きになれない私

元気ないときは君の部品になって一緒に悲しむからだきしめて

お互いの顔を見えないようにして接着しよう 今夜だけ

君にしか見せないブラウス着て眠る 着いたら起こしてね「マイガール」

それならば今連れてって 図書館を抜け出す初二人乗り記念日

しなくても済む言い合いを最近はちゃんと未然に防げてる(つもり)

東京に来てよかったあのアパートに最後に上げたのが君でよかった

押し殺さなくなっていたあの人の代わりに君に許されてから

まぐれだということを忘れるくらいどこにでもいる2人になろう

女狐と知ってもきっとまた胸に赤い痕をください、ひとつ

カレンダーに記す小さなめじるしの周期について話す昼寝前

やわらかい手のひら ほかの誰かには触らせたくないきみの魂

よこしまな気持ちも全部打ち明けよう ひとり相撲はもう終えたんだ

環状線沿いを並んで歩きつつ結婚したあとのことを思った

雨粒を丸くはじいて私たち今日はどこまで出かけてみようか

うしろからそわそわしてる心臓をなでる もうすぐ動きだすのね

眠ってるあなたに日陰をつくりつつ静かに生理を待っていた夏

存分に利用しあおう 泣くほどに誰かを追わなくたってもういい

天秤がかたんと鳴ってうなずいた 上乗せされる砂糖に負けて

昔見たSFのような花の降る中庭にいます きっと見つけて

半分にできない苦しみはそのまま一緒に美味しいご飯を食べる

親指をずぶりと皮に挿してまた同じだけみかん色になる肌

孫が居るころには今の毎日も可愛いものだったって言えるかな

どなたかが君を待ってる金曜は残業してもからっぽのまま

誰だって正義のヒーローだっていい「まだ間に合う」って説得してよ

奥底に届かなかった私よりもっと大事な人のねむる場所

泣くほどに聞こえなくなる空耳をなにもできずにただ見送るだけ

引き止めることを怠ろうとしてる 本当にもう行ってしまうのに

焦点の長すぎるレンズ 遠ざかるあなたにピントが合ってさよなら

書きかけのメールは捨てた 8階のビルから見る鉛色の東京

認められない学者みたいに中庭で誰も必要としない話を

銀箔の剥がれた向こう なつかしい空気を今は見ないふりする

ペットにも妻にもなれないけど今は名前を呼んで耳まで刺して

群集のひとりになりきれないだろう あなたの許しかけた目が見たい

解決にならないじゃんけん繰り返す 私たちは寂しいだけだから

もう泣けない思い出を蒸し返すならオレンジジュースぶちまけてやる

来世さえ約束できない結局はその程度の好きだった 寂しい

絶対にぜったいにもう叶わない願いを袋に入れて殴った

いい加減わかってよそんな虹なんて見たくないよ欲しいあなたが

私たちの番号は離れてしまった 強い風に髪をまかせる

この人のそばでお婆ちゃんになる いろんなものを見守る代わりに

ふたりとも生きているのに離れなきゃいけないことにぽかんとしてる

限りある戯れは終わってしまった ここからはもうその後でしかない

アメリカに居てもきみはきみだから私はただ会えなくてさびしい

あなたには水やりの義務はないのだし枯れてゆくのを見られたくない

秋晴れは新婚のきみを連れていく 私は台所で小豆を煮る

脳みそは今きっとすごくやわらかい こたつで思い出しているから

好きだって言えない病気をお互いに抱えたままで屋上ふたり

緑茶ハイ 流行っていた漫画の話 梅ハイボールまた緑茶ハイ

奴呼ばわりされたい きみに何もかもさらけ出すなんて出来ないくせに

今してるネクタイが欲しい完璧じゃない君のまま家に帰って

君だって仏さまではないでしょう 少しくらいは声を荒げて

恋人の次はふたごかもしれない その少しあと夫婦になろう

くらやみにまどろみきれず触れているあなたの手首の骨がいとしい

もしもまた会うときに疲れ果ててたらあなたの部屋で雛になりたい

匿名のまま抱き合って翌日に雨が降ったらさよならしよう

ドライフルーツの硬さたしかめつつ君が怒ったところを想像してた

雨が降り出す直前の離島から東京のこと眺めてみたい

何回か分の薬と涙とが染みた白衣で来る喫煙所

褪せてゆく思い出を止めようとして書いては消して歌っては黙る

紙コップくしゃくしゃにした ど田舎にいたって挫折するもんはする

反対に取り付けられた弁のよう引き止められず撫でられるだけ

あとがきに答えは載ってないのだと気づいている図書室 夏終わる

微笑みはいつだってすぐ取り出せずほら今じゃなきゃだめだったのに

スーパーできみの嫌いなパプリカをさわってたしかめて買わなかった

うらやんでうらんだあの娘の反対にしか進めないおんなじなのに

見えはしない指紋に親指を重ねてもらったペンで数式を解く

第5回くらいの一緒の飲み会で「梅酒だっけ?」と聞かれてうなずく

今夜はもう何も言わないで帰ろうきっとまたすぐ会えるのだから

あのシェフは助けることに決めてるのホテルが突然つぶれたとしても

弾丸は鈍く光を反射して 「あなたの胸で死にたかったわ」

雲のない空と冷気がよりそってあなたの孤独を教えてほしい

結局は千切ることなんて出来ずにそのへんに転がしておいた恋

抜けきっていない訛りはやさしくて 初恋の子の名前を聞かせて

わかってて踏んでしまった水たまり後悔はすっとしていてつめたい

綺麗だと言いたくなくて黙ってる あなたは今日もまっすぐなのに

防御にもならずに赤いマニキュアはただただ私を安っぽくする

君がもうなにか言おうとしてる 目の前のソーダの泡になりたい

降りつもりとける恐怖を毎日のように見ている 空の灰色

まだ君はゆっくり浸かっているだろう旅館の畳の緑はうすい

鮮烈なイチョウのきいろが追いうちをかける 誰かに見つけられたい

あなたとかあの子のことはもういいわシロツメクサの全部を知りたい

底までは見えないように表情を変えるあなたはここまで来ない

黒糖はやさしく甘い 泣きながらきみへのてがみを書き上げました

約束をしなければ会えなくなったあなたが交差点を右折する

使われず財布の中で眠ってた引換券の期限は去年

眠ってるあなたの腕にからまって基礎体温計咥える6時

この胸の痛みなんかじゃイコールの先にあなたは連れてこれない

またいつか集まったときそれぞれが幸福でいよう乾杯しよう

臆病なビーズ刺繍

題詠2010、走り終わりました。
何度も何度も「今日こそ終わらせよう」と思いましたが、
結局ぎりぎりでした。

今年は、本音としては前向きな歌で埋め尽くしたかったんですが、
やっぱり途中で息がつまってしまい、やめることにしました。
ちょうど8〜9月あたりに悲しいことがあり、
途中からその負の感情をそのままぶつける形となりました。

悲しいことというのは、
大切なひとたちと離れ離れになってしまったことです。
(距離的には十分すぐ会えるのだけれど)
それで最後の歌「福」は、
それぞれがちゃんと幸せであり、また一緒にお酒を飲みたいなあという気持ちを詠みました。



今年のお題はなんだか難しかった気がします。
全体的に見ればまとまってはいないし、気に入った歌は少ないですが、
反省もこめて復習しよう。

おつかれさまでした。
大してわき目振らずに来てしまったので、みなさんの100首を読みに行こう。

2010年11月29日月曜日

100:福(藤野唯)

またいつか集まったときそれぞれが幸福でいよう乾杯しよう

099:イコール(藤野唯)

この胸の痛みなんかじゃイコールの先にあなたは連れてこれない

098:腕(藤野唯)

眠ってるあなたの腕にからまって基礎体温計咥える6時

097:換(藤野唯)

使われず財布の中で眠ってた引換券の期限は去年

2010年11月28日日曜日

096:交差(藤野唯)

約束をしなければ会えなくなったあなたが交差点を右折する

095:黒(藤野唯)

黒糖はやさしく甘い 泣きながらきみへのてがみを書き上げました

094:底(藤野唯)

底までは見えないように表情を変えるあなたはここまで来ない

093:全部(藤野唯)

あなたとかあの子のことはもういいわシロツメクサの全部を知りたい

092:烈(藤野唯)

鮮烈なイチョウのきいろが追いうちをかける 誰かに見つけられたい

091:旅(藤野唯)

まだ君はゆっくり浸かっているだろう旅館の畳の緑はうすい

2010年11月25日木曜日

090:恐怖(藤野唯)

降りつもりとける恐怖を毎日のように見ている 空の灰色

089:泡(藤野唯)

君がもうなにか言おうとしてる 目の前のソーダの泡になりたい

088:マニキュア(藤野唯)

防御にもならずに赤いマニキュアはただただ私を安っぽくする

087:麗(藤野唯)

綺麗だと言いたくなくて黙ってる あなたは今日もまっすぐなのに

086:水たまり(藤野唯)

わかってて踏んでしまった水たまり後悔はすっとしていてつめたい

2010年11月23日火曜日

085:訛(藤野唯)

抜けきっていない訛りはやさしくて 初恋の子の名前を聞かせて

084:千(藤野唯)

結局は千切ることなんて出来ずにそのへんに転がしておいた恋

083:孤独(藤野唯)

雲のない空と冷気がよりそってあなたの孤独を教えてほしい

082:弾(藤野唯)

弾丸は鈍く光を反射して 「あなたの胸で死にたかったわ」

2010年11月22日月曜日

081:シェフ(藤野唯)

あのシェフは助けることに決めてるのホテルが突然つぶれたとしても

2010年11月21日日曜日

080:夜(藤野唯)

今夜はもう何も言わないで帰ろうきっとまたすぐ会えるのだから

2010年11月20日土曜日

079:第(藤野唯)

第5回くらいの一緒の飲み会で「梅酒だっけ?」と聞かれてうなずく

078:指紋(藤野唯)

見えはしない指紋に親指を重ねてもらったペンで数式を解く

おすそわけ 第27回「果実」

熟れすぎた


イマイさんへ。
先日は、ニッポン全国短歌日和のことで突然メールしてしまいましたが、
イマイさんらしいエールをありがとうございました。
緊張していたけれど、イマイさんのメール読んで落ち着きましたよ。


そろそろ街にはクリスマスの文字が出てくるようになりましたね。
となると次は年賀状か。早いものですっかり冬です。
果実、ってお題をもらって考えたけれど、
私のなかでは冬のイメージが強いかもしれない。
みかんとか、柿とか。

一人暮らしして思ったのは、一人ではなかなか果物を食べないということ。
実家では、冬には段ボール箱いっぱいのみかんがあって、
むしろ義務のように「食べなさい」と出されたり、
夕飯のあとには剥いたりんごや梨が食卓に乗ったりしていました。
よくうちの兄はみかんを食べ過ぎて、足の裏が黄色くなってたなあ。
ほんとにみかんのせいかは知らなかったけれど。

りんご一個なんて一人じゃ多いし、
みかんも自分で買うほどではないし。
そう、果物に対しては、自分で買って食べるほどではないなあというのが正直なところです。
夏のスイカもそうだけれど、
果物が食卓にあるということは、なんだかあったかい感じがするなあと思いました。
家族のイメージというか。


それから、果実のなっている樹がなんだか好きです。
前、会社の近くにオレンジ?か何かわからないけれど、柑橘系のなっている樹があって、
その場所がすきで割りと昼休みに散歩に行っていました。
冬の柿がなっている、少しさびしい樹もすき。


思い出すけれど空気は乾いてて熟れすぎた柿ひとつ転がる


「果実」を詠んだこと、あんまりなかったなあと思います。
果実を詠み込んでる歌では、東直子さんの「廃村」の歌が好きです。


すっかり寒くなりましたが、個人的には年が明けてからが本当に寒いイメージがあります。
少し遅いかもしれないけれど、次回のお題は「冬じたく」です。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年11月15日月曜日

077:対(藤野唯)

うらやんでうらんだあの娘の反対にしか進めないおんなじなのに

076:スーパー(藤野唯)

スーパーできみの嫌いなパプリカをさわってたしかめて買わなかった

075:微(藤野唯)

微笑みはいつだってすぐ取り出せずほら今じゃなきゃだめだったのに

074:あとがき(藤野唯)

あとがきに答えは載ってないのだと気づいている図書室 夏終わる

073:弁(藤野唯)

反対に取り付けられた弁のよう引き止められず撫でられるだけ



072:コップ(藤野唯)

紙コップくしゃくしゃにした ど田舎にいたって挫折するもんはする

071:褪(藤野唯)

褪せてゆく思い出を止めようとして書いては消して歌っては黙る

2010年11月14日日曜日

070:白衣(藤野唯)

何回か分の薬と涙とが染みた白衣で来る喫煙所

069:島(藤野唯)

雨が降り出す直前の離島から東京のこと眺めてみたい

068:怒(藤野唯)

ドライフルーツの硬さたしかめつつ君が怒ったところを想像してた

2010年11月13日土曜日

067:匿名(藤野唯)

匿名のまま抱き合って翌日に雨が降ったらさよならしよう

066:雛(藤野唯)

もしもまた会うときに疲れ果ててたらあなたの部屋で雛になりたい

065:骨(藤野唯)

くらやみにまどろみきれず触れているあなたの手首の骨がいとしい

064:ふたご(藤野唯)

恋人の次はふたごかもしれない その少しあと夫婦になろう

063:仏(藤野唯)

君だって仏さまではないでしょう 少しくらいは声を荒げて

062:ネクタイ(藤野唯)

今してるネクタイが欲しい完璧じゃない君のまま家に帰って

061:奴(藤野唯)

奴呼ばわりされたい きみに何もかもさらけ出すなんて出来ないくせに

2010年11月6日土曜日

060:漫画(藤野唯)

緑茶ハイ 流行っていた漫画の話 梅ハイボールまた緑茶ハイ

059:病(藤野唯)

好きだって言えない病気をお互いに抱えたままで屋上ふたり

058:脳(藤野唯)

脳みそは今きっとすごくやわらかい こたつで思い出しているから

057:台所(藤野唯)

秋晴れは新婚のきみを連れていく 私は台所で小豆を煮る

2010年11月3日水曜日

056:枯(藤野唯)

あなたには水やりの義務はないのだし枯れてゆくのを見られたくない

055:アメリカ(藤野唯)

アメリカに居てもきみはきみだから私はただ会えなくてさびしい

054:戯(藤野唯)

限りある戯れは終わってしまった ここからはもうその後でしかない

053:ぽかん(藤野唯)

ふたりとも生きているのに離れなきゃいけないことにぽかんとしてる

2010年11月1日月曜日

052:婆(藤野唯)

この人のそばでお婆ちゃんになる いろんなものを見守る代わりに

051:番号(藤野唯)

私たちの番号は離れてしまった 強い風に髪をまかせる

050:虹(藤野唯)

いい加減わかってよそんな虹なんて見たくないよ欲しいあなたが

049:袋(藤野唯)

絶対にぜったいにもう叶わない願いを袋に入れて殴った

2010年10月31日日曜日

048:来世(藤野唯)

来世さえ約束できない結局はその程度の好きだった 寂しい

047:蒸(藤野唯)

もう泣けない思い出を蒸し返すならオレンジジュースぶちまけてやる

046:じゃんけん(藤野唯)

解決にならないじゃんけん繰り返す 私たちは寂しいだけだから

045:群(藤野唯)

群集のひとりになりきれないだろう あなたの許しかけた目が見たい

おすそわけ第26回のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第26回が更新されています。
お題は「スプーン」です。

確かにスプーンってあんまり買い換えないなあと思いました。
みなさんはどんなスプーンを使っていますか?


ぜひご覧になってくださいね。


044:ペット(藤野唯)

ペットにも妻にもなれないけど今は名前を呼んで耳まで刺して

043:剥(藤野唯)

銀箔の剥がれた向こう なつかしい空気を今は見ないふりする

2010年10月25日月曜日

Unknown

おしらせじゃなくて日記になってしまいますが。。。

10月24日にNHK BSにて放送された、ニッポン全国短歌日和(5時間の長丁場!)の中継コーナーに、
縁あってちょこっとだけ出させていただきました。
なんと、こゆりんとえいみちゃんと一緒に。

  


場所は隅田川。
とても開けていて、素敵な場所でした。
橋がたくさんあって、船がひっきりなしに通っていて、
船に乗ってる人たちに結構手を振りました(笑)

外で、みんなでスケッチブックに短歌を書くなんて、今までしたことなくて、
なんだか小学校とか中学校の写生会みたいで、楽しかったです。


現場のスタッフの皆さん、山崎アナウンサー、そして大辻先生は、
本当に本当に優しくて、とても安心することができました。
なんと石川美南さんも来てくださって。

大辻さんも石川さんも、2作以上作った人の作品を、どっちを出すか選んでくださったり、
山崎アナウンサーは中継していないところでも出演者のみなさんと短歌のお話をしてくださったり。
素敵な空気だった。
放送されなかったみんなの歌も、いいものがいっぱいありました。


即詠はいちばん心配していたところで、
お題が出た直後は割と焦りましたが(笑)



私は力不足で、残念ながら選ばれることは出来ませんでしたが、
こゆりんとえいみちゃんの作品がスタジオへ!
中継をこちらで見ながら、みんなで大辻先生を応援していました。

そしてこゆりちゃん選者賞おめでとう


とてもいい経験が出来ました。
みなさま、ほんとにありがとうございました。






おまけ、記念にもらったクッキー缶。
(あとマグカップももらった)
龍馬どーもくんかわいい。



(さて・・・題詠をがんばらないと・・・)

2010年10月18日月曜日

042:学者(藤野唯)

認められない学者みたいに中庭で誰も必要としない話を

041:鉛(藤野唯)

書きかけのメールは捨てた 8階のビルから見る鉛色の東京

2010年10月14日木曜日

040:レンズ(藤野唯)

焦点の長すぎるレンズ 遠ざかるあなたにピントが合ってさよなら

039:怠(藤野唯)

引き止めることを怠ろうとしてる 本当にもう行ってしまうのに

038:空耳(藤野唯)

泣くほどに聞こえなくなる空耳をなにもできずにただ見送るだけ

2010年10月11日月曜日

037:奥(藤野唯)

奥底に届かなかった私よりもっと大事な人のねむる場所

036:正義(藤野唯)

誰だって正義のヒーローだっていい「まだ間に合う」って説得してよ

035:金(藤野唯)

どなたかが君を待ってる金曜は残業してもからっぽのまま

2010年10月8日金曜日

Unknown

ヒールで走る


イマイさん、こんばんは。
すっかり秋ですね。
私も秋は好きなのですが、ここのところたてつづけに体調をくずしてしまっています。
季節の変わり目には弱いようです。
秋は存分に感傷に浸れるところも好きですが、
身体の調子がよくないと、気持ちが負けすぎてしまうのでそれも注意ですね。


さて、今回のお題ですが、
靴って、ほんとうに相性ですよね。
自分の足に合うか合わないかも、ものすごく出てしまうし、
ほんのちょっと足もとを変えるだけなのに、全身の印象が簡単に変わってしまう。
靴を買いに行っても、なかなか決められません。

ちょっとだけ試着して、これでいいかなと思って買ってしまうと、
あとでものすごく痛い思いをすることをもう十分知りました。


最近履いているのは、白いぺったんこ靴です。
誕生日に母が贈ってくれました。
靴を選んで贈る、なんて自分では怖くて出来ませんが、
この靴はとても履き心地がよくて助かりました。
そろそろブーツも出したいなあと思っています。
イマイさんはどんな靴を履きますか?


でも、今でも絶対に履けないなあと思うのは、
やっぱり高いヒールです。
街を歩いたり、雑誌に載ったりしてる女の子たちは、あんなに軽々ハイヒールを履いているのに、
どうしても愛用できる気がしません。
アイドルなんて、ハイヒールで歌って踊ってまでいるのに・・・
大人になったら毎日普通の顔して履くのかなあなんて思ってたことがあった気がしますが、
大人になっても合わないものは合わないんだなあと思い知りました。
痛いし、あの前のめりになるような感じが、どうも苦手です。
世の女の子たちも、涼しい顔してほんとは痛いのか、
それとも痛くないヒールがちゃんと存在してるところにはしてるのか、ちょっと聞いてみたいです。


7〜8センチくらいのヒールを履いて、軽々と走ってみたいなあ。
そうしたら少しは女度も上がったりするのでしょうか。


つまさきの痛みと悲しいことだけがはっきりしている終電帰り(藤野唯)


***


普段、なかなかいろんな女性と話す機会がないのですが、
でもヒールについては聞いてみたいなあ。
えいみー、ゆずちゃんやこゆりんにも聞いてみたい☆

次回のお題は「スプーン」です。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年9月21日火曜日

おすそわけ第24回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第24回が更新されています。
お題は「白」です。

夏のいろいろな白についておすそわけしてもらいました。
夏って鮮やかな感じがしますが、だからこそ白が映えるのかも。



ぜひご覧になってくださいね。


2010年9月12日日曜日

034:孫(藤野唯)

孫が居るころには今の毎日も可愛いものだったって言えるかな

033:みかん(藤野唯)

親指をずぶりと皮に挿してまた同じだけみかん色になる肌

032:苦(藤野唯)

半分にできない苦しみはそのまま一緒に美味しいご飯を食べる

2010年8月29日日曜日

Unknown

イマイさん、こんばんは。
まだまだ暑いけれど、ちょっとだけ涼しい日も出てきて、
とうとう夏も遠ざかっていくのかなと思います。

前回の「遊び」は、イマイさんのルーツめいたものを知ることが出来て、
おすそわけやっててよかったなあ、とひっそり感動しました。
私もよく絵を描く子だったので、そうだそうだという気持ちと、
自分のことを思い出してちょっと恥ずかしい気持ちで読みました。


夏の思い出、一生懸命思い出そうとがんばりましたが、
今回はこの夏できたばっかりの思い出をおすそわけしようと思います。

メールでお話したとおり、お盆は短い夏休みをもらって実家に帰省していましたが、
夏休みの前半は、久しぶりの親子4人旅行に行ってきました。
私は帰省した翌日に出発したので、ちょっと慌ただしかったです。

新潟の岩室温泉という場所に行ってきました。
ちょうど台風が近づいていて心配だったのですが、
私たちが着いた日はすごく晴れていて、とても暑かったです。
兄と父が代わりばんこで運転してたのですが、
移動中は結構寝てしまった気がします。
関越トンネルを通るのも久しぶりだったのに、行きは見逃してしまいました。

ひさしぶりにひろーい水平線を見てしみじみしたり、
寺泊でずらっと並ぶ蟹や魚を見たりしました。
寺泊での、太陽とアスファルトに挟まれてじりじり焦がされる気持ちになったのは特に覚えています。
それから新潟出身の会社の先輩に聞いた、おすすめだというワイナリーにも行きました。
運転役の兄がいるので、父と母は試飲して、ワインを一本買っていました。
イマイさんの買っていたご当地ロディがうらやましくて、
自分へのお土産にご当地キティちゃんを買ってきました。


宿ではゆっくり母と温泉に入りました。
露天風呂にも入りつつ、実家のことや会社のこと、いろいろ話しました。
小さい頃は温泉に連れて行ってもらっても朝食間際まで眠っていたのに、
今回は早朝もふたりで入ってきました。
(早朝は前日の男女湯が入れ替わっていたので)
またみんなでどこか行こう行こうと何度も言っていた気がします。

いつになるかはわからないけれど、
兄も私も結婚してしまえば、こういう機会も減るのだろうなと思います。
大人になってからの家族との思い出も、とてもいいものです。


これまでの母子の肌を撫でてきた時間のように流れる薬湯(藤野唯)




すっかり遅くなってしまってごめんなさい。
私の中では、夏のことを思い出すと、日差しが強いせいか全体的にまぶしくて白いイメージです。
そういうわけで次回のお題は「白」にしました。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年8月14日土曜日

031:SF(藤野唯)

昔見たSFのような花の降る中庭にいます きっと見つけて

2010年8月8日日曜日

おすそわけ第22回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第22回が更新されています。
お題は「遊び」です。

私もよく絵を描いて遊んでいたので、今回はすごく「わかる、わかる」と読みました。
ぜひご覧になってくださいね。


毎日暑いですね。
今日は服のお買い物が出来てとてもうれしいです。

2010年7月28日水曜日

Unknown

*


なにをどうすればあの子になれたのか ミネラルウォーターひかる、よぎる、君

「あれ、言ってなかったっけ」すこしずつ途切れていく まばたきするみたく

光路差はただしく伸びてまた君に会えなくなるけど抗わないの

本当は本当に言うつもりなんてないのかもしれないないないな

いなくなればいいってことではないんだよちゃんと覚えて手 帰って 泣いて

美しく自由落下していった花火になれたらまだよかったのに

ずっと夢だったの、きみの手を払って走って逃げて、みたかったの

壊れればすぐ醒めるわけでもなかった あなたはずっと優しかったので

不完全なものをたくさん残しつつ生きる わたしが楽になるため

化粧水ボトルのへこむやわらかさ そこだけ狂っているようなピンク


*


ここ数日間、ずっと短歌を詠みたかったんです。

2010年7月26日月曜日

うたらば

ご報告が遅れて申し訳ありませんが、
田中ましろさんがお作りになった短歌フリーペーパーうたらばのvol.00(テーマ;春恋)に短歌で参加させていただきました。



HPでは、PDFで中身を閲覧することも出来ます。
参加された方々の短歌に、ましろさんの写真と詩が添えられています。
私の短歌にも、すごく素敵な写真と言葉を添えていただいて、とても嬉しいです。
またぜひ参加させていただけたらなあ、と思っています。


配布店舗は、現在大阪を中心にすこしずつ増えていっているようです。
ブログパーツ・次号用の短歌も募集しています。
(それぞれお題が異なるようなのでご注意ください!)


短歌のフリーペーパーやzineがもっとあるといいのになあ、と常日頃から思っていたので、
参加させていただいてとても嬉しかったです。
今回の参加はたつろう兄さんのご紹介で叶いました。
素敵な出会いをありがとうございました☆


どうぞご覧になってくださいね。
私も、次号からもとても楽しみです。

2010年7月20日火曜日

おすそわけ 第21回「好きな一冊」

ただただ、素


イマイさんへ


こんばんは。夏の夜です。
最近とても暑いですね。
加えてお仕事がとても忙しくなってきて、ちょっと遅れてしまいました。ごめんなさい。
すでにちょっと夏バテ気味ですが、ちゃんと元気でいようと思います。

前回は素敵なソファーのお話をありがとうございました。
祝・20回ですね☆
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

ソファー、私の家にはかつてあったことがないので、どうしても余所のおうちのもの、という印象が強いです。あと、校長室とか。
でもいつか、ひとつ欲しいかなあ。
家具のなじむ、なじまないって難しいですよね。物とも運命めいたものがあるのかな、と思いました。


今回の「好きな一冊」ですが、とても悩みました。
きっとイマイさんは小説をイメージして出題したのかなあ、と思いましたが、
最近小説を読めなくなっているからです。

大学の時は、本多孝好や大崎善生を読んでいました。
だけど深くて暗くて、好きだったけれど読んだ後の落ち込み具合がひどかった覚えがあります。
私は物語に完全に溺れてしまう上に一気に読まないと気がすまないので、なおさらだったと思います。
そうして、深く入り込んでしまうのがつらくて嫌になり、だんだん小説を読まないようになりました。
小説なら、大切な人が死なない話を読みたいなあと思っていたし、
それ以外では可愛くてゆるい本やエッセイを読むようになりました。


今回挙げるのは、赤荻武さんの「カメラレシピ」(2005/マーブルトロン)にしようと思います。


この本はヴィレッジヴァンガードで見つけた、いわゆる「写真の撮り方」の本です。
写真が好きで、大学では途中まで写真部に入っていました。
だけどカメラの詳しいことだとか、難しい話はよくわからなくて、
どちらかというと、可愛い写真やトイカメラのほうに興味がありました。
今でもフィルムカメラやトイカメラが好きです。


この本には、堅苦しい教科書めいたことはほとんど書いてありません。

女の子を真冬の寒い屋上に連れ出してみたり、雨にさらしてみたり、
廃墟になった結婚式場跡へ行ってみたり、傷んだ苺を撮ってみたり。

ただただ「素」を撮った写真と、赤荻さんのゆるいコメントで、
なんにも考えずに「いいなあー」と思いながらぱらぱら読めます。
「用意するもの」の欄に、
「フリスビー、お弁当とお茶」なんて書いてあるところも大好きで、
何回も何回も開きました。

出かけるとき、「あ、カメラ持ってってみようかな」と思えるような本です。


イマイさんは、写真は好きですか?
私は、記念日やイベントの日ももちろんですが、
何でもないような時にこそ写真を撮りたいなあと思っています。
たとえば、ふと誰かに会いたくなって思い出すのは、その人の普段の表情が多い気がして。



あくびしたあとの写真はそのときに食べてたバニラサンドのにおい(藤野唯)



それにしても暑いですね。
バニラサンドも溶けてしまいそうです。
子供たちは夏休みですね。そんなわけで次回のお題は「遊び」です。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年7月5日月曜日

030:秤(藤野唯)

天秤がかたんと鳴ってうなずいた 上乗せされる砂糖に負けて

029:利用(藤野唯)

存分に利用しあおう 泣くほどに誰かを追わなくたってもういい

028:陰(藤野唯)

眠ってるあなたに日陰をつくりつつ静かに生理を待っていた夏

Unknown

夜はぷちぷちケータイ短歌で、だいたさんに短歌を選んでいただきました。


*アリバイ*

「一昨日はユミと遊んでた、一昨日はユミと遊んでた」パスタをゆでる




夜ぷちは、気が向いてかつ間に合ったときに何回か出していたのですが、
いつもぜんぜんだめでした。
昨日、今回もだめだったかなーと思いつつケータイでスクロールしていたら、自分の名前を見つけました。初採用。
ありがとうございました
すごくうれしかったです。


歌はそのまんまですが、セリフの練習をしながらご飯を作って彼氏を待っているところです。
アリバイという題に、いくつかドラマが思い浮かんだのですが、複雑になりすぎてうまくまとまらず、結局単純なものになりました。
みなさんの採用歌をみて、ぴったり言いたかったような歌もあって、すごいなあと思いました。


最近はいろんな方の歌集を読んだりしています。


すごい雨だ。
ところでゲリラ雷雨と夕立ってどう違うのだろう。

2010年7月4日日曜日

おすそわけ第20回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第20回が更新されています。

今回のお題は「椅子」です。
なんとなく、イマイさんに椅子が似合うような気がしてこのお題にしました。

あっという間に20回です。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします
読んでいてくれるみなさま、これからも見守っていていただけるとうれしいです。

2010年6月28日月曜日

027:そわそわ(藤野唯)

うしろからそわそわしてる心臓をなでる もうすぐ動きだすのね

026:丸(藤野唯)

雨粒を丸くはじいて私たち今日はどこまで出かけてみようか

2010年6月15日火曜日

おすそわけ 第19回「眠り」

点滅


イマイさんへ。


梅雨に入りましたね。
気温の変化が相変わらず大きくて、
最近微熱を出してしまいました。
イマイさんは体調はどうですか?
前回はあったかいおすそわけをありがとうございました。
読んでいて、眠る前のあったかさを思い出しました。

私も好きな人と手をつなぐのが好きです。
彼の肌はとてもやわらかくて、ほっとします。


今回のお題は「眠り」ですが、
私はよく、眠れなくなる子でした。
小さい頃、母に「目をつぶってれば寝られるよ」と言われてもやっぱりなかなか寝付けず、布団の中で困り果てながらいつの間にか眠っている、ということが何度もありました。

しかしその頃はまだいいほうで、眠れないのは大学の頃がピークでした。
一人暮らしは気ままに見えても(実際気ままなところも多々あるのですが)、さびしかったり不安だったりしたのかもしれません。
昼間、大学などで嫌なことがあったり悩みがあっても、帰って話す人がいないので、
そのまま部屋に持ち帰ってぐるぐる考えてしまいがちだったと思います(これは今もそうですが)。

寝てしまいたいと思うときほど眠れなくて、
布団に入って、そのまま眠れず朝を迎えてしまうこともありました。
ぼーっとした頭で新聞配達のバイクや鳥の声を聞いて、布団の中で絶望していました。
お医者さんに行こうかな、薬局で薬を買おうかな、と思ったこともあったけれど、怖かったので行かずじまいでした。


社会人になって、眠れないのは昼寝をしてしまった日くらいになりました。
きっと、眠らなくてはやっていけないと身体がわかったのかな、と思います。
それから、恋人といるとき、私たちはふたりともよく眠ります。
お互いに安心しきっているせいかなと思っています。


眠れない話を書いてしまいましたが、眠るのは好きです。
寝る前に布団で本を読んでいるとき、朝布団の中で目覚めるときも、こたつでうとうとしているときも幸せです。
ほかの好きなことをできる時間を眠りに当てるということは、必要ですがとても贅沢なことのように思えます。



目覚めたらまた会おうね あたたかい視界がゆっくり点滅しだす(藤野唯)




眠りに落ちる前の時間を短歌にするのにかなり時間がかかってしまいました。
次回のお題は「椅子」です。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。
おやすみなさい。

2010年6月2日水曜日

羽虫

水たまり踏んでしまった あの子でも肌荒れすると信じたかった

一度きり、一度きりっていいながら発熱を繰り返していたい

気まぐれでやさしかったな気まぐれでやさしかったな泣いてしまおう

食べたくもない羽虫だったのだろう仕方なく餌をくれたのだろう



おすそわけ第18回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第18回「体温」が更新されています。

体温って、自分のだとあんまりわからないから、やっぱり誰かに触れてこそのものかな、と思います。
なんだかあったかいお話でした。


どうぞお読みになってください

2010年5月15日土曜日

おすそわけ 第17回「川」

ふかくてはやい


イマイさん、こんばんは。
うさぎの鳴き声、わたしもたぶん聞いたことないと思います。
鳴かないまま仲間もいないところで、というくだりは、とても物悲しくなりました。

昨日、恋人の実家の犬が亡くなりました。
私はとうとう一度も「彼」に会えなかったけれど、きっと恋人は13年という長い年月の間、彼の声をたくさん聴いて会話をしたのでしょう。
わたしは動物を飼ったことがないけれど、声というのは人と人だけではないんですね。



さて今回の「川」ですが、川は私にとって身近なものです。

というのも、実家の町には割と有名な(?)川が流れていて、私の実家も川からそんなに離れていません。
だから夏の台風で大雨が降った次の日は、川の水が増えて音がよく聞こえたし、
小学校のときの清掃活動はよく川で行われました。
春から夏にかけては遊びに来る人もたくさんいたので、
近くの橋を通るときは川の様子を見ていました(水位とか、人がどのくらい来ているかとか)。

大学に入るときに上京してから、川をあんまり見なくなりました。
もちろん川はたくさん流れていると思いますが、近くにない街に住んでいるからかな。
だから大学に入ってから、川がないことに気づいたときは、ちょっと寂しかった気がします。
実家にいたときも、子供のころに比べて、そんなに頻繁に行っていたわけではないけれど。


川を見ていると落ち着きます。
浜辺で海を見ているみたいに行って帰ってくるわけではなく、ただひたすらに流れていく。
でも、見てるだけでいいかなあと思います。
小さいころ流されかけた記憶があるからです。
私の実家の川の話ですが、見た目は穏やかに見えても深いところはとても深くて、流れは速いです。大人だとしても、あっという間に足をとられてしまいます。
入るにしても、足だけ少し入れて涼んでいるくらいがちょうどいいのでしょうね。

おすそわけのことを考えていて、人の気持ちもそうだなとちょっと思いました。
無防備に、あるいは無造作に人の内面にずかずか入り込んでいくと、飲み込まれたり流されたりしますよね。
わたしも、溺れたことも、溺れさせたことも、一度ずつくらいはあるかもしれません。
きっと、深いところはとても深くて、流れも速いのでしょう。



助かってよかった だけどあのときの鼓動の速さでいまだに酔える(藤野唯)





いろいろなことが重なってしまったのですこし遅れてしまいました。ごめんなさい。
次回のお題は「体温」です。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年5月9日日曜日

025:環(藤野唯)

環状線沿いを並んで歩きつつ結婚したあとのことを思った

2010年5月5日水曜日

Unknown

よこしまな気持ちも全部打ち明けよう ひとり相撲はもう終えたんだ

2010年5月4日火曜日

023:魂(藤野唯)

やわらかい手のひら ほかの誰かには触らせたくないきみの魂

022:カレンダー(藤野唯)

カレンダーに記す小さなめじるしの周期について話す昼寝前

2010年5月1日土曜日

おすそわけ 第16回のおしらせ

イマイさんのブログ、ゆびおり短歌でおすそわけ第16回「声」が更新されています。

イマイさんは誰の声について書くのかな、と思っていましたが、
少し意外なお話でした。

なんだかすこしせつなくなりました。

ぜひご覧になってくださいね。

2010年4月16日金曜日

Unknown

すこしうれしい


イマイさんこんばんは。
4月も中旬だというのに、最近はまた冬のような日がありましたね。
いい加減あきらめてしっかり春になってほしいです。


前回の「花」、ちょうどお花見の時期でしたね。
高校のころの友人というのは、お酒を飲めない年齢で付き合っていたからか、
今でも会えば飲まずとも十分に楽しくやれてしまう気がします。
部活の仲間には私もとても思い入れがあります。
クラスメイトとはまた違った思い出を共にした仲間。
学生のころ、「誰が一番早く結婚するか」なんて言い合ってましたが、本当にそろそろ誰か結婚するのではないかと思っているところです。



今回は、スキップというお題をいただきました。
いまやってみるとスキップって実はとても不自然(?)な動きだし、
子供のころを思い出しても、どうも「嬉しくてたまらないから」スキップをしてみる、ということもあまりなかった気がします。
どっちかというと「スキップ」という遊び、みたいなイメージ。

それでもやっぱり、ときどき小躍りしたくなることがありますよね。
とびはねるでもなくて、うれし泣きするほどでもないような。
そんなときは小さくスキップしてみるのが一番しっくり来るのかもしれないなあ、と思いました。

思い出としてはあまり思いつかなかったので、最近のちょっと嬉しかったことを少しずつおすそわけしてみようと思います。


・先日ふと思いついて大学の研究室でお世話になった教授に近況メールを送ってみました。
学生のころはどうも意図が読みきれなくてお互いうまくやれなかったのですが、数時間で返信がきて、しかも「しっかりやれよ」という旨のありがたいお言葉をいただきました。
(これは小躍りというよりも胸がじーんとしてしまった)


・今日自転車で近所を散歩していたら、素敵な器屋さんに出会いました。
奥では陶芸教室もやっていて、ご主人の女の人もとても気さくな方でした。
かわいい水玉の湯飲みとマグカップをひとつずつ買ってきました。


・就職活動をしている大学の同期たちがだんだんと内々定をもらいはじめています。
もちろんまだまだ友人全員ではないけれど、みんながみんなに合っているところに行き着くといいなあと思っています。



ほかにもささいな、ご飯がおいしくできたとか、かわいい写真が撮れたとか、そんなことで嬉しくなります。
でもたいてい、胸の中から花がぶわっと咲いたような瞬間は、人とのつながりで生まれる気がしています。

今日は買ってきた器でお茶を飲みます。
とりあえずキッチンまで小さくスキップしてみようかな。



久々に聴いた声で上書きされて スキップをする明るい夕方(藤野唯)



+++

仲がよかった人や憧れていた人の懐かしい声を聴くと、なんというか、すごく新鮮な気持ちになります。
次回のお題は「声」です。
(狙ったわけではないのに短歌に「声」が入ってしまった、ごめんなさい)
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年4月6日火曜日

021:狐(藤野唯)

女狐と知ってもきっとまた胸に赤い痕をください、ひとつ

020:まぐれ(藤野唯)

まぐれだということを忘れるくらいどこにでもいる2人になろう

2010年4月3日土曜日

おすそわけ第14回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第14回が更新されています。お題は「花」です。

イマイさんの短歌にはお花がよく出てくる気がして、春の初めの今回、このお題にしました。

お花見、そろそろですね。
みなさんはもうお花見しましたか?

ぜひお読みになってくださいね。

2010年3月28日日曜日

019:押(藤野唯)

押し殺さなくなっていたあの人の代わりに君に許されてから

2010年3月24日水曜日

018:京(藤野唯)

東京に来てよかったあのアパートに最後に上げたのが君でよかった

017:最近(藤野唯)

しなくても済む言い合いを最近はちゃんと未然に防げてる(つもり)

2010年3月22日月曜日

2009観賞 010

010*街


街灯に照らされた君にあいたくてゲームを放りなげて行く塾(さかいたつろう)
好きな子のためになら塾へ行く男子、かわいい。

街路樹の樹木の名前知らぬまま夜の空港へ運ばれてゆく(イマイ)
次々と流れていく街路樹を黙って見ているイメージです。この歌大好き。

溶けたくて傘をささない日もありき魚眼レンズに映るビル街(風天のぼ)
「溶けたくて」に酸性雨、近未来的なビル街を思い浮かべました。

うたがいはなにもうまない うつくしく 街の灯りをにじませる雨(斉藤そよ)
街中の雨は美しいですよね。

あの街に虹がさすのを待っているわたしひたすらタンバリンうつ(松原なぎ)
タンバリンがいいな。カスタネットじゃだめですね。



016:館(藤野唯)

それならば今連れてって 図書館を抜け出す初二人乗り記念日

「手紙」のお知らせ

※この記事はしばらくの間いちばん上に来るようになっています。
あたらしい記事はこの下から。


春うららかな連休ですね。
とはいえ強風は大丈夫だったでしょうか。
この連休は実家に帰省しているのですが、庭の木の枝がちょっと折れてしまったみたいです。
父と母が今朝応急処置をしてました。


さて、今日はお知らせですが、
毎度毎度お世話になりすぎているさかいたつろう兄さんとの共同制作「手紙」を、
webデザイナーの糸井ヒデノリさんに短歌サイトとして形にしていただきました。







この企画は、10人の男女が短歌を添えた手紙を交わす、というコンセプトで作られています。
お二人には感謝してもしきれないくらい、素敵なサイトになりました。
感激しっぱなしです。


手紙サイト (クリックすればあら可愛い!)
http://tegami-tanka.main.jp/

どうぞご覧ください。

2010年3月19日金曜日

おすそわけ 第13回「動物園」

なんとなく



イマイさんへ。


こんばんは。
今週はとても忙しい週でした。
週最後に出張と飲み会が重なって先ほど帰ってきました。
ほんの少しだけ、酔っています。


前回「嘘」では、予想以上のドキドキ感をありがとうございました。
淡々としている分、「心底」という言葉がぐっさり来ました。
車の中の空気が伝わるほど。


今回の「動物園」、というお題をいただいたとき、
ちょうど動物園行きたいなあ、と思っていた頃で、行ってそのことを書きたいなあと思いました。
それで、さっそく恋人を誘って上野に向かいましたが、
その日運が悪く入れませんでした。
私はとても落ち込んだのですが、その日は周辺をぶらぶら散歩して帰りました。

結局今回間に合わなかったので、ふと思い出した別のお話をします。


私が通っていた大学の学科は、60人程度の小規模なところでした。
カリキュラムも自由度が割と少なく、私たちは4年間ほぼ毎日顔を突き合わせて一緒に過ごすことになりました。
初めのころは、よくある大学生みたいに授業中うるさい学科でした。
同じサークルの友達は、
「うちの学科って、動物園だよな」
と言いました。

大学の空気には、諦めとそれなりの楽しさがあふれていました。
誇りだとか自信なんて雰囲気はさほどなく、顔も知らないまま辞めてった人もいました。
自由すぎる中、でもそれなりにほとんどのみんなは落ち切ってしまわないようにしていました。
単位を落とさないように図書館で勉強したり、
メールや電話をしながらアパートで夜遅くまでレポートを書いたり、
くだらないことを言いながら実験したりしました。
私は好きでした。
色んな人がいすぎてまるでまとまってない動物園。
でも、徐々になんとなく生まれた、なんとなくの一体感。


ふと、そこに帰りたくなって、
大学院生として残ってるみんなのところへ行こうかな、と思うこともあるけれど、
外の世界に出てしまった人がたくさんいるので、
もう、戻れません。
もともと檻がなかったので当たり前のことだけど。


卒業して1年になります。
今日の飲み会はとても楽しかったです。
そうやって私や、ほかのみんなも、今いる場所にだんだん慣れて、好きになっていったりするんだと思います。



春という理由だけで別れてく 桜の花びらひゃくまい踏んで(藤野唯)


+++



上野動物園には、そのうち行きたいなあと思います。
次回のお題は「花」、
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年3月10日水曜日

015:ガール(藤野唯)

君にしか見せないブラウス着て眠る 着いたら起こしてね「マイガール」

014:接(藤野唯)

お互いの顔を見えないようにして接着しよう 今夜だけ

013:元気(藤野唯)

元気ないときは君の部品になって一緒に悲しむからだきしめて

012:穏(藤野唯)

穏やかなあなたが真面目になるときの「君(きみ)」を好きになれない私

2010年3月4日木曜日

おすそわけ第12回更新のおしらせ

イマイさんのブログゆびおり短歌にて、おすそわけ第12回、「嘘」が更新されています。

何というか、予想外の内容だったのもありどきどきしました。

是非お読みくださいね。

1111、とセンセイ

なんかブログの編集ページ開いたら、
今日はブログを開設して1111日、らしいです。

しばらく題詠とおすそわけのみ更新しようと思っていましたが、
そんなこと知らされちゃったのでちょっと日記めいたもの書きます。


3月ですが、お元気ですか。
私はと言えば、
社会人2年目になりつつあったり(あっという間だったとか言いたいが、この1年は長かった。長かったんだよ)、
寒暖の差に見事に振り回されたり、
予備校の先生のことを唐突に思い出して泣きそうになったり、
また髪が伸びてきたのでそろそろまたパーマをかけようと思ったり、
さくさくの方のカントリーマアムを食べたり、
木村カエラのベストを聴いたりしています。

職場ではたくさんお兄さんができました。
もともと妹体質なのでうれしいです。



あんなにも遠くから私を見つけた人の憎まれ口が聞きたい(藤野唯)

2010年2月24日水曜日

Unknown

2009*ふわふわ

ふわふわと歩く二人は夫婦より幼い兄と妹のよう(イマイ)
こんな夫婦に憧れます。

好きすぎたわたしは強く抱きすぎたもうふわふわはふわふわじゃない(岡本雅哉)
あまりにも意図的な歌いだしにやられました。

ふわふわと昨日の君を思い出す心優しい生理二日目(ひろうたあいこ)
なんてうらやましい。

ふわふわと甘いあいづち打つあの子だまらせたくてムカデの話(ぱぴこ)
素通りできませんでした。これも女子。

右上に傾きし黒板のWill気怠き発音ふわふわな午後(桑原憂太郎)
ふわふわした感想で申し訳ないですが、雰囲気が好き。



011:青(藤野唯)

誰のためでもない空は青くってふたりは今日もふたり語を話す

010:かけら(藤野唯)

持ち寄って手をつなぎました 他の誰かの幸せを祈ったかけら

2010年2月22日月曜日

2009観賞 008

008*飾

飾られたプリン崩していく きみとなるべく同じはやさ保って(柚木 良)
飾られたプリンは、パフェかなあ。同じはやさを保つ、私もそんなふうに追うばかり。

蜜を吸う生き物死ねばしばらくは髪飾りとして風にふるえる(我妻俊樹)
蝶でしょうか。ふるえる、が透明ではかない。

あなたから秘密を打ち明けられるようひだりの耳を飾る小春日(わたつみいさな)
打ち明けられたい!これ好きだなあ。

ひとつずつ似合わぬものを除いたら飾るものなどなにもなかった(青野ことり)
自分に似合うものを知っている人はほんとうにうらやましい。

クリスマスツリーに真綿を飾るよに十七歳はブランコに乗る(みずたまり)
当たり前の関係だったんですね。大人も乗るブランコって不思議な遊具。

爪飾る女が愛想笑いする春はどこかでビルが壊れる(たかし)
春はビルの壊れる季節ですね。単純に不思議で引き込まれました。

好きだった 髪に絡まる雨粒を紡ぐちいさな手のようこさん(加藤サイ)
こんな視点で恋されてみたい。

騙し合いここまで来たね今晩は飾り気のない言葉で攻めて(こゆり)
直球な言葉がいちばん胸にくるのです。

飾らない君が好きだと言ったのは全裸ってことじゃないんでよろしく(田中ましろ)
006では脱がしてたのにー。


009:菜(藤野唯)

あなたとの子供をいつか産むのだと気付かされ摂る多めの野菜

Unknown

心が折れていましたが(笑)、やっぱり完走できなかった題詠のような罪悪感があって、2010の走り出しと共にまたぽつぽつといきたいです。
イマイさんの観賞スタートにも触発されました(って素直に言います今年のテーマは素直って今決めたので)。

また止まるかもしれないですが。。。もうすこし頑張ろう



006*水玉

街中が動物園になったやう水玉模様のスカートあふれ(梅田啓子)
水玉の勢いというか、元気さが出てて面白いなあと思いました。

キミにだけわかる合図の水玉のネクタイ巻いて行くスキー場(わだたかし)
スキー場が意外!これ好きです。

彼史上最強だった悪趣味な水玉模様のシャツさえ愛す(ひぐらしひなつ)
思い浮かべて笑ってしまった。かわいい。

模範しか近づき方を知らなくてあの子と同じ水玉模様(ぱぴこ)
よくわかる気がします。

いいことを言わないように気をつける父水玉の似合わない人(兵庫ユカ)
いいことを言わないように気をつける、というのがなんだか気になりました。

水玉の似合わぬ歳になってなお運命じゃないことは淋しい(若崎しおり)
この淋しさに引き込まれました。

目の前に飛び込んできた水玉はうつくしかったけれど脱がした(田中ましろ)
素直すぎて笑ってしまった。



007*ランチ

「ただいま」と声かけ流しに娘置く花びら入りのランチボックス(春待)
帰ってすぐに、お弁当箱出してー、ってよく母に言われたのを思い出しました。

飛び出した言葉を追ってはらはらとランチョンマットに落ちるパンくず(宮田ふゆこ)
どんな言葉が飛び出したんだろう。

なにごともなかったようなエビフライランチのエビが優しくて泣く(拓哉人形)
人ではなくてものに泣かされるってありますよね。

妻と子の写真見せられランチする珈琲カップふたつ寄り添う(nnote)
見せられ、に淋しさというかマイナスな感情を感じました。カップは寄り添えるのにね。

夜デート キャンセルのメール受け取って今日のランチを餃子に決める (のびのび)
なんという女子…素直で素敵。

ごめんねが言えないランチタイムにはチキンライスに白旗立てる(小林ちい)
数あるお子様ランチの歌の中で、いいなあと思った。



やってみればやっぱり面白いんですよね!
ただどうしても時間かかってしまう

008:南北(藤野唯)

南北へのびる国道を横切る 明日には帰るきみの手のひら

007:決(藤野唯)

��ヶ月に一度くらいはしおらしい女になろうと決意している

2010年2月16日火曜日

Unknown

恋ばかりしている



イマイさんこんばんは。
早いものでおすそわけも二桁台に入りましたね。
これからもどうぞよろしくお願いします。


前回の「先生」は、読みながら私も自分の小学校の担任の先生を思い出していました。

先生になる人、というのはやはり、先生になるような人ですよね!
私の知り合いやいとこも先生になりましたが、彼女(彼)らを知っているとその道を選んだことに素直に納得します。
それから、中学のときの恩師に、今も年賀状を出していますが、
こないだその返事に「今度飲もう。社会人の話をしたいね」とありました。
大人と子供から、大人と大人になった今では、どんな話ができるのでしょうね。



さて今回の「恋」ですが、今までの自分を振り返って総まとめ(?)的なお話をしてみたいと思います。


私は恋ばかりしているような女の子でした。
しかも叶わなかったり泣いてばかりいるような、いわゆる不毛な恋ばっかりでした。
だけど懲りずに繰り返していたということは、それが嫌いじゃなかったのでしょう。
ちなみに私はちょっと変わった人を好きになるらしく、
今までの恋において、ほかの女の子とかぶるということはとても少なかったように思います。
(第5回の「秋」では例外を書きましたが)
あ、でも小学校くらいだとみんな足の速い子を好きになりますよね。


自分が相手を好きなことに自覚を持つようになると、
意識しすぎてとたんにうまく話せなくなってしまいました。
嫌われるのが極端に怖かったのだと思いますが、
私は嫌だなあ、気付かないまま自然にもっと仲良くなりたかった、って思っていました。


そんなとき、友達としか思っていないような男の子とはごく自然に話せたり、仲良くできることに変に自覚的になって落ち込むことも多かったです。
去年の題詠2009の、

ふわふわと笑う廊下 この人を好きになれたら楽だったのに

という歌(お題:ふわふわ)は、そういうときの歌でした。


それから恋をすると、その人を中心に世界が回り始めます。
朝挨拶をしたとき、うまく言えたか、笑ってくれたか、なんて言われたか、
それだけでその日一日が全く違うものになったなんて、
なんてちっぽけで壮大で、今ではにわかに信じがたい・・・。

そんなふうに、とにかく自分が相手を好きであることがすべてでした。
逆に誰かが告白してくれても好きになったり付き合う気にはほとんどなれませんでした。
たくさん泣いたり、笑ったり、
メールを一通送るのに何分も何十分もぐるぐる考えたり、
送ったメールに対して何時間も何日もぐるぐる考えたりしたけれど、
結局きっと楽しかったのだと思います。

ただ相手の男の子にとってははたはた迷惑だっただろうな・・・ということも(たくさん)ありました。
思い出していると、この場をお借りしてお詫び申し上げたくなります。
ほんとごめんなさい。



今の恋人と付き合い始めてから、あの頃とはまったく違う日々を送るようになりました。

あんなふうに、朝の挨拶でこれ以上ないくらい嬉しくなったり、送ったメールで泣きたくなったりすることはもうありませんが、
代わりに相手の寛大さや、変なこだわりに驚いたりすることができるようになりました。
あの時にくらべると今は信じられないくらい平穏で、当たり前のことがずいぶん増えましたが、
ときどきふっと思い出したように、これも恋なんだなあなんて思います。



私たちは、付き合い始めて一年たたないうちに中年夫婦みたいだねと笑いあうようになりましたが、
それでも知らないことはきっとまだ山ほどあって、
たとえば一緒にラーメンを食べているときなんかに、思いがけない話をきいたりするのだと思います。
老夫婦とまで言われてた、
イマイさんと旦那さんのお話もゆっくり聞いてみたいなあ。
お茶でも飲みながら今度ぜひ、どうでしょう。


ふたりだけに通じることが増えてってそのうち私の全部になるね(藤野唯)




次回のお題は「嘘」です。どきどき。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年2月14日日曜日

臆病なビーズ刺繍

見逃したサインも互いにあるだろうけれどめげずに寄り添っていく

2010年2月9日火曜日

Unknown

湖のボートに乗り移るみたいに抱きしめられて波が生まれる

004:疑(藤野唯)

いつだって疑わない君とこのまま忘れていきたい感情もある

2010年2月8日月曜日

Unknown

土曜日はよそ見をしよう公園にバドミントンを持って出かける

2010年2月4日木曜日

おすそわけ第10回更新のおしらせ

イマイさんのブログゆびおり短歌にて、おすそわけ第10回、「先生」が更新されています。

私も読みながら、小学校のときの担任の先生を無意識に思い出していました。

是非お読みください。

2010年2月1日月曜日

002:暇(藤野唯)

暇だねと言い訳をして寝るふたり しあわせとは無意識であること

001:春(藤野唯)

祝福をされたくて買う春キャベツ 今日はどんな話をしようか

Unknown

4年目になります。

一首一首が愛しく意味を持つ歌になるように詠んでいきたいです。
今年もいい旅になりますように。

よろしくお願いいたします。

2010年1月19日火曜日

おすそわけ 第9回「雪」

しんしんと降る


イマイさんへ


新年初おすそわけをありがとうございました。
去年は社会人になり、環境をがらっと変えた1年でした。
その環境にもだんだん慣れてきて、落ち着きつつあります。

年賀状は私も手書きです。
裏にはイラストを印刷しますが、必ずひとつひとつお手紙をつけます。
小中学生のころは、それこそ何十枚も書くような子でしたが、
今は毎年だいぶ少なくなりました。
年1回でもお手紙を送りあう、そういうことを途切れさせたくないな、と思うくらい大切な人だけに送ることにしています。



さて雪ですが、イマイさんのご実家はやはり、毎年かなり降るほうですか?
私の実家は関東圏内なのですが、山のほうなので以前はよく降っていました。
寒い寒い冬の朝、居間へ下りるとストーブの上にはやかんが乗っていて、
しゅんしゅんしゅん、という音がして、
「雪降ってるよ」と言われて障子をあけると外はまっしろ・・・
あの、「しんしん」という音を耳ではなく体全部で感じ取っていた記憶は忘れられません。
お風呂に入っているとき、屋根から雪の落ちる音が聞こえたことも懐かしいです。


それから大学に入るときに上京してきたのですが、
やはり東京は降らないなあ、と最初のころは思っていました。
ところが私が就職活動をしていた2年前の冬、たまたまよく降る年にあたってしまったのか、会社説明会や面接のたびに雪か雨が降っていた気がします。
以来、私は自分のことを雨女または雪女ではないかと半分信じています。


そういえばセンター試験の時期っていつも雪騒ぎしてた気がします。
上にも書きましたが私の実家は田舎なので、浪人した年のセンター会場は家から1時間離れていました。
(現役は高校単位で会場が決まってましたが、そのときは2時間弱かかりました)
その日も会場は雨で、1日分の試験を終え、母に帰るよーとメールをすると、
「おつかれ。こっちはどか雪だよ!!」
という返信がきました。

どか雪って!、と笑いつつ帰りの電車に乗ると、
たまたま座っていたおばさんと目が合って、受験生だと察してくれたのか、席を詰めて私に「座る?」と言ってくれました。
ほかにも受験生はたくさんいいたので不思議だったけれど、疲れていたし雨で寒かったので素直に座らせてもらいました。

外が寒いと、中は余計にあったかくなりますよね。



もし雪が降ったらという約束は空で涙に変わったんだね(藤野唯)







雪って慣れてる人とそうでない人で全然反応が違いますよね。
次回のお題は「先生」です。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

2010年1月12日火曜日

KNOWN

苦しいってどこからだろう メガネ踏みつぶしたとこで嵐が止まる


返信をくれなかったことくらいなんで今でも許せないんだろ

宛名さえ書かずに捨てたけど今も読んでほしいと思ってるんだ

本当にわかってないね(大切なことは言えない)わかってないよ

初雪はなるべく見ないようにしてた だってきっとまた恨んじゃうから



2010年1月7日木曜日

お手紙+おすそわけ第8回のおしらせ



今日は仕事に疲れておうちの郵便受けを開けたら、うれしいことが!


いつもお世話になっているたつ兄さんの本屋さんBooks DANTALIONのフライヤーと、高校時代のお友達から年賀状。

フライヤー、もうかわいくてかわいくて。
うきうきで部屋に帰りました。やったったー。
また本注文します。

そして年賀状、ちょっとみづらいですが印刷ではなく手作りなのです。
マステとスタンプで。すてきだー。
手作り、とか、手書き、っていいですよね。



さてさて、年賀状の季節です。
イマイさんのブログ、ゆびおり短歌にて、おすそわけ第8回、「年賀状」が更新されています。

みなさまは年賀状書きましたか?
私はすくないけれど、書きました
かわいい寅のイラスト印刷に、メッセージを添えて。
手書きの手紙なんて、あんまり書く機会はなくなってしまったけど、なくしたくないなあとおもいます。


ぜひお読みください

2010年1月1日金曜日

おめでとうございます。

みなさま、あけましておめでとうございます

2009年はいろいろとお世話になりました。


去年は。。。

・社会人になりました

・3度目の題詠マラソンに参加しました。

・初夏には川口での短歌サミットに遊びに行って、
たくさんのかたと再会+はじめましてできました

・ハピマウに参加させていただきました

・イマイさんとおすそわけをはじめることもできました。
・コメントしたりいただいたりで、すこしずつ仲良くなれた方もいました



お仕事では、大変だなあと思っていたことのほうが多かったと思いますが、
それなりにぴったりおさまる場所みたいなものをみつけつつ、今年も働いていこうと思います。

短歌は、
今年も題詠出たいな!
それから、去年少しミニブックを作ったみたいに、また何か作ってみたいと思ってます。
どんな形にせよ。


素敵な年になりますように。
今年もよろしくお願いいたします