2009年12月29日火曜日

手を振ったけれどあなたはお辞儀した

ほんとうは指摘したくてたまらない いつも納得してないきみを

あのころの彼女と今のわたしとは何が違うのだろうね 時雨

嘘だってわかっていても「わかった」と言うのを知っててきみは嘘つく

必要じゃないものに会いに行きたくて動物園のゲートをくぐる

テレビでは男と女が言い合って 「あんなふうにはなれなかったな」


2009年12月22日火曜日

Unknown

真夏のクリスマス


イマイさん、こんばんは。
えいみーとのクリスマス企画と、ちょっと時期がかぶってしまったので、すこしだけ遅らせてしまいました。

前回の、「ゆいちゃん」とても嬉しかったです。
よかったらこれからも呼んでください☆
そしてイマイさんの、自分のための時間。
私はお香とか、アロマとか使ったことがなかったのでとても新鮮でしたが、
やっぱり香りのいいものは好きです。
シャンプーだとか、ハンドクリームとか、ささいなものでも出来るだけいい香りのものを選ぶようにしています。
甘すぎるものや強すぎるにおいは苦手ですが、ちょっといい香りがするとほっとしますよね。




さて、今回のキャンドルのお話ですが、実は夏の話です。

私は高校のころ合唱部に所属していました。
公立だったので特にキリスト系の学校だったとか、そういうことではないのですが、
よくうちの合唱部はラテン語の賛美歌を歌っていました。
最初こそ発音だとか意味のわからない言葉に戸惑っていましたが、
賛美歌は音がはまるとほんとに、ほんとうに綺麗なのです。
私はすっかり魅せられてしまって、
自分たちが歌わない歌のCDも顧問の先生に借りて、よく聴いていた覚えがあります。
特にクリスマスの歌のCDはお気に入りでした。
録音したものが実家にあると思いますが、時期的におそらくMDです。

私たちが引退するのは、3年生の夏でした。
毎年定期演奏会を開くのが7月末あたりだったのです。
その年の演奏会に、ひとつの部として、賛美歌を4,5曲歌うことになりました。
そしてその1曲目に、照明を落とした舞台上を部員がキャンドル(厳密にはランタン)を持って歌いながら歩く、という演出をしたのです。


Hodie Christus natus est
hodie salvator apparuit
(きょう、キリストはうまれた
きょう、救い主はあらわれた)


暗闇をさまよういくつもの小さな光。
演奏会が行われているホールを出れば真夏、きっと日照りと蝉の声があったはずなのに、
クーラーのきいた客席には、そのとききっとクリスマスの空気が降りたと思います。
そうであったならいいなあと、今でも思います。


今もふとどこかで賛美歌を聴いたりすると(最近では小雪のTVのCMであったかな)、舞台からの視界が思い出されて、何とも言えない気持ちになります。
歌っているときに舞台の上から見た照明の光は、いつもまぶしくて、かみさまのようでした。


歌声と光の区別がつかなくて あれはかみさまだったのだろう(藤野唯)






なんだか「キャンドル」とは少しだけはなれてしまいましたが、
キャンドルの思い出がこれしかないような気がしたので。。。すみません。
さて、次回の更新は新年です。
約2週間後、イマイさんのブログで、お題は「年賀状」です。
みなさま、よいクリスマスを。

2009年12月20日日曜日

Unknown






こんなにも哀しい曲の溢れてるクリスマスイブを抱きしめたくなる




扉を開けた瞬間、「あ、寒い」、と思った。
当然だ。雪が降っている。知ってたけど。
それでも扉を閉めてしまった。
外に出てきてしまった。
アパートの階段を下りる。
ここで待っていればそのうち彼女に会えるかも、とか思ったが、やめておいた。
結局はそんな度胸もない。
みじめになるのを承知で、5分ほど前までいた部屋のあったかさを思った。
5分ほど前、ふいに鳴った携帯をしばらく見つめて、彼はぽつりと言ったのだ。
「江美ごめん、今日は帰ってくれる?」
彼が何を言っているのかすぐにわかった。
というか携帯が鳴ったあたりでもうなんとなくわかっていた。
窓の外を雪がちらついているのも知っていたけど、ちゃんと言うことを聞こうと思った。彼を安心させたかったからだ。
怒らせたくもなかったし、泣きたくもなかった。そもそも今日は、そんな気分でもなかった。
いつも通り遊びに来て、あったまりながら今朝買った雑誌でも読んで、しばらくしたら帰ろうかと思った。彼がよければご飯でも食べて。
そんなに毎日会っているわけではないのに、会いに来た日に限って彼女が来るという。でも別に、それすら珍しくなかった。
私は2番目だから。
それを承知で付き合っているのだからこういうときは大人しくすると決めたのだ。

今目の前にはうっすらと雪が積もり始めていて、なんか私、かわいそうみたいだとふと思った。思って、私はどうしたいんだろうと思い直した。
そしてすこし、苦笑した。

彼の部屋を出ようと玄関に立ったとき、扉の向こうの寒さをすこしだけ感じた。
そして、これからその寒い中を一人で帰る自分のことを思った。
思ったら少しだけ、泣きそうになった。
立ち尽くしている私を不審に思ったのか彼が声を掛けてきた。
「江美」
「うん?」
素直に応える。
「ごめんね」
「いいの」
わがままは言わない。でも、
「宏」
「なに?」
でも。

「今日、私、かわいい?」
不自然なくらい明るい声で振り向いてみる。
そこにはすこし拍子抜けした彼がいる。
「何だよ急に。かわいいよ」
そしてキスをもらう。それでよかった。それで、いいのだ。
そして私は、扉を開けて出てきてしまった。
雪の降っている外に。手を振りながら笑って扉をしめたりして。
でも、いいんだ。
いいんだ。
2番目でも、「来ないで」と言われるのが彼女でなくても、
私といるのが暇つぶしみたいなものでも、
「悪いけど別れてくれる?」とかいつ言われたっておかしくなくても。
今日がこんなに寒くても、雪が降っていても、
たまに褒めてもらえれば、私はそれだけでこんなにうれしい。
さくさく、という自分の足音を聞きながら、なぜか私はスキップでもしてみようとか思っていた。




雪の中ヒールを履いてスキップで帰れるくらいの褒め言葉を言って


カシミアのコートの手触り確かめて大切にされてみたくなる冬


(絵・短歌 安藤えいみ/ストーリー 藤野唯)







クリスマス直前ということで、えいみちゃんの短歌にストーリーをつけさせてもらって、さらにそれにえいみちゃんが絵を描く、というコラボを載せました。

えいみーの絵って大人っぽくて素敵だよね。質感といい。
今回の絵も冬っぽくてお気に入りです。
えいみーの絵が私のブログに貼ってあるなんて、ちょっと新鮮で不思議。笑

もうどこ行ってもクリスマスソングが流れる季節です。
昨日はファミレスで広瀬さんとか流れるから、ゲレンデ行きたくなっちゃった!


2009年12月17日木曜日

だいじょうぶ、わかってる

まだすこしきっかけが要る 「飲んでみる?」って新しい午後ティーを差し出す

他人事(ひとごと)のようなスキです今のうちせいぜい序章を楽しんでおく


手遅れと気が付いたのは返信を打つ時間を計算してるとき

こんなこと友達が本気で言ったらきっと私もあきれるだろう

だいじょうぶ友達はみんなわかってる 全部ちがうし全部ただしい

他人事のように笑うよねほんとうにどうせ他人事なんだろうけど

同罪と思ってないね? いつだって逃げられるって思ってるでしょ


わかってるわかってるって言いながら 結局ぜんぶ許して眠る

2009年12月4日金曜日

おすそわけ第6回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第6回が更新されています。
お題は「自分のための時間」。

ひとりの時間はすきです。
ひとりすぎるとさみしいですが、なければいけないものかなあとは思う。
イマイさんのひとりの時間は、ゆったりとした、疲れた自分のためのものでした。


ぜひご覧ください

2009年11月30日月曜日

今はもう足元をさらってくれない波打ち際でずっと待ってる

何回もはがしたかさぶた 駆け出していきそうなのを死なせないため

今日もまた手紙を書けない夜なのでふたりの好きなスピッツを聴く

あの頃は互いに差し出していた手をうまく繋げず「今日も寒いね」



2009年11月22日日曜日

トワイライト


ぶつけても泣いても面倒なんだろう それなら「可愛い」ままでいたいや

撫でないで 今日は特に夜ときみから逃げ切れる気がしないんだ

かみさまはそうしないと決めたのだろう 別れたなんてほんといまさら

みんな寝てしまった狭い部屋の中ふたりでメンズポッキー食べる

溶けた氷、ちらばったゴミ こんなとこ一緒にいたいわけじゃなかったのに



一生のおもいでにする 朝焼けで正気に戻る前にキスして

2009年11月18日水曜日

おすそわけ 第5回「秋」

まっすぐな秋


イマイさんこんばんは。
最近とても寒いですね。こたつが愛しくてたまりません。


「雨」では、とてもかわいい思い出をありがとうございました
高校生のイマイさんを思い浮かべて、ほっこりしてしまいました。
なんとなくイマイさんと雨は似合う気がして、このお題にしました。
新しい傘を買うと、すこしだけ雨が待ち遠しくなりますよね。



さて、秋、というお題を聞いたとき、
すぐに浮かんだことがあって、でもおすそわけとして書くのはどうかなあと躊躇ったのですが、
自分とは切り離せない思い出だし、
イマイさんに聞いてもらいたいことでもあるので、書くことにしました。
なんだかなあ、と、思ってしまったらごめんなさい。


4年前の秋に、私は大きな失恋をしました。
その人は、私にとってほぼ日常となっているほど近しい存在だったので、
当時はどうやって日常から彼をなくせるか、必死だった気がします。


実は、私の失恋の短歌は、ほとんどこの人のことを歌ったものです。
朝、目がさめれば泣き始め、
その日眠るまでほとんどを泣いてすごしていたような毎日が、
よほど自分には衝撃的だったのかなと思っています。


その日は、こんな風にとても寒かったと思いますが、
私はイヤホンをして、デジカメを持って大学に写真を撮りに行きました。
何かしていないと、とにかく泣きそうで怖くて、
30分でも1時間でも、他のことで気を紛らわしたかったんだと思います。

私の大学には、すこしだけいちょうの並木道があって、
ちょうどこの時期あたりから染まり始めていたと思います。
その頃にはもう本当に真っ黄色で、
その日私はそれを何枚も何枚も撮りました。
ひたすら大学構内をぐるぐる歩きながら、かけていた音楽を耳が痛くなるほどリピートしていました。
当時の写真フォルダを開くと、画像一覧が全体的に黄色くなっています。
なにかをもともと持っていたわけではないけど、
なにかをなくしてしまったような私には、
その色はまっすぐ入り込んできて、
この秋も、これからやってくる冬も、その日むかえる夜もつぎの朝も、
これは現実でしかないんだと、思い知っていました。



あの人の抱くだろう肩 中庭のいちょうに埋もれる声あるいは息(藤野唯)




そういえばさいきん、いちょうの木を見ていない気がします。
次回のお題は、「自分のための時間」です。
更新は約2週間後に、イマイさんのブログで。

2009年11月17日火曜日

ちまちま



小さな本、
2冊、あたらしくつくりました


今度は中身もちゃんとワードで編集して。
こんなことのためにこの間池袋で買った少ししっかりした紙に印刷。
(さっそく役立ってよかった





ちょこっと撮った写真やイラストも入れました。
今日つくったほう(表紙が写真のほう)は、ページをふやしすぎてしまってちょっとたいへんでした(笑)
ちなみに表紙の写真は高校からのお友達がとったもの。

紙を切ったり貼ったりしながら、
やっぱり不器用さを実感しました。。。
(個人的には表紙の大きさとかの調節がすごくむずかしい。)
でもたのしい!もっとつくろう!
不器用でも、自分の子はかわいいのです。







2009年11月14日土曜日

Unknown



そこらへんの紙を使って小さな本を作ってみました
手のひらに乗るサイズです。

定規もカッターも使わずやっつけでつくったのでかなり雑ですが、
とにかく手を動かしたかったので構わずつくってしまいました。






中には短歌を。
マスキングテープや画用紙でかざりつけ。
不器用なくせに何かを作るのは割と好きで、
かなりやっつけな割に3時間くらいかかりましたがちょっとお気に入りです。
まだ全部のページは埋まってないんですが…


いつかフリペとかもう少しちゃんとした本をつくるのが夢のひとつなので、
今夜はほんのささやかな一歩を踏み出せた気がします。
印刷屋さんは未知の世界なので、できるだけ自分で頑張ってみようと思います。





しかし疲れた(笑)

2009年11月5日木曜日

おすそわけ第4回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第4回が更新されています。

今回のお題は「雨」。
イマイさんのかわいくて、静かな思い出をおすそわけしてもらいました。

ぜひごらんになってくださいね☆

2009年11月3日火曜日

寒くなったので、ここぞとばかりにタンブラーをまた使い始めて、
ホットを飲んだらべろを火傷しました(猫舌)

あったかい飲み物を買ってきてもちょっとさめるまで飲めません。
実際いまもあったかいお茶をかかえているだけ。
鍋とかでも火傷します。じんじん。


よる、外に出たらとても寒かった。
体が丈夫であれば、寒いのは嫌いじゃない。
でもすぐ冷えてしまうので、
わたしには厚着とこたつが必要。




あ!
いま突然思い出したけど、次回のおすそわけのお題は「雨」です。
前回、短歌書いて満足してた。ご、ごめんなさい、イマイさん
更新はイマイさんのブログにて☆
(前回から2週間だから…あと一週間くらいでしょうか?)



明日はどうしようかな。
彼とどこか行こうか?と言っているけど、
寒いからどこにもいかないのも十分あり得る。

2009年10月29日木曜日

よる

いまここでどんなにうずくまりたくても あのとき拒絶するしかなかった

最後って言葉に信憑性はない わたしにしてもあなたにしても

爪立てるわたしでもいい思い出す時にはどうか目を細めてね

しあわせなまま気づいたりしないように上手に騙してくれたらよかった



+++



鬼束さんの新しいアルバムが出て、とても幸せ。

2009年10月25日日曜日

Unknown

ご報告が少し遅れましたが、
加藤千恵さんが編集長を務めるハッピーマウンテン5号に参加させていただきました。

 


遊びというテーマだったのですが、
届いたのはトランプで驚きました。
ハピマウって変わった形をとるらしくて…
左はトランプケースとかっぴー(白)です。

かとちえさんに名前を覚えてもらっているなんて感動でした
短歌は3首送りました。



君のいうルールで遊んでいる限りいつまでたっても鬼のまんまだ

ままごとをして遊びましょ夕方になれば奥さん迎えに来るから

信じたいものはとりあえず忘れてあなたのくれたクマさんと遊ぶ


そして一番上の歌を選んでもらいました。
(2首目だったら友達に見せづらいとこでした。笑)
短歌を続けてるとこんなこともあるんですね。
びっくりで不思議な経験でした
かとちえさんありがとうございました。





これからの人生で短歌をどうやって続けていけばいいんだろう。
やってみたいことはまだあるけれど、自信もなくてまだ踏み出せないでいる。
自分の歌にはまだ足りないものだらけな気がしてしまう。

いい加減社会に出たのだし、
いろいろなことをもうそろそろ少し頑張ったっていいんじゃないかな。

2009年10月22日木曜日

おすそわけ 第3回「煙草」

イマイさんへ。

こんばんは。
あらためて、このたびはおすそわけに乗ってくださってありがとうございます。
わたしもイマイさんとなら安心です。
どうぞゆっくりと、末永くよろしくお願いします。

鞄、読んだ日に、ああなんだかイマイさんに励まされてるみたいだなあと思ったら、ほんとうにそうだった(?)のでびっくりです。
ちょっと前にイマイさんに言ってもらった、
「信じられるのは自分と恋人」
という言葉はとても大切です。
これからも相談に乗ってください(笑)


さて、今回は少し短くなってしまったかもしれませんが、
煙草のお話をします。


煙草は周りに吸う人があまりいないので、あの煙とかは割と苦手なのだけど、
なぜかたまにあのにおいにほっとすることがあります。
疲れてる時に多い気がします。特にプラットホーム。
1日終えてすっかり疲れて、割と静かな夜のホームで電車を待っているとき。
夜と疲れがあいまってると(それってほとんどじゃないか)、私はなぜか泣きたくなったりしてくるのですが、そういうときに考え事とかするとぐるぐるしちゃって止まらない。
考えなくていいこととか大げさに物悲しく考えちゃって、
夜に書いた手紙は朝一度読み直せとか言いますよね。
そんなときに誰かが吸ってる煙草のにおいがしてくると、
ふっと現実に戻ってこれるのです。
変かな。
なぜだろう。たぶん煙草の煙って、とても人間くさいからかなと思います。
当たり前のことだけど、
ああ疲れてるの私だけじゃないなっていうことに気づけるというか。
まったく知らない、見かけた人たちに勝手に元気をもらうことって、たまにあるんです。カフェとか同じ車両とか。

居酒屋とかゲーセンの煙ではだめ。もちろん歩き煙草もだいきらい。
ほんのすこしぽっかりあいた穴に、
そっと少し遠くから流れ込んでくるのがいいのです。
煙なんかに、ぜいたくかもしれませんが。


気がついた時には向こうへ流れてる 煙のようなきみの感覚(藤野唯)

2009年10月13日火曜日

海鳴り

泣き出したのが先なのかこの海が出来たのが先なのかしらない

曇りの日私の肩を抱いたひと今は海鳴りだけがのこって

こんにちは、波、さようなら 取り返しつくものを信じそうになってる

ほしかったものはひとつだけなんて少なくともわたしは嘘だったよ



あの花はお城の上に挿しましたそのうち波がさらうのでしょう

2009年10月9日金曜日

おすそわけ第2回更新のおしらせ

おしらせ

イマイさんのゆびおり短歌http://blog.goo.ne.jp/imaitanka/
にて、「おすそわけ」第2回が更新されています


イマイさんとふじのの短歌つき交換日記です。
日常や思い出を互いにおすそわけしていきます。
第2回お題は「鞄」。
どうぞご覧ください

2009年10月7日水曜日

弱い雨のふる夜に

ふたりして逃げるんだったらこんな夜だね そうだねこんな雨だね

ほんとうは気付いてるよね さっきから息が荒くなってることも

あったかいことは悲しいこうやって笑っていてもどうしていても

端切れはどうしたって端切れだよ 8割持ってる子が勝つんだよ

はっきりと言ってくれなきゃわかんない言ってくれてももう止められない

哀れんでもらえるだけで変わらない そうかこのナミダは無駄なのね

やわらかい砂の上を歩きたい はじまりのほう思い出すため



2009年9月25日金曜日

Unknown

正妻のことは知ってるくちびるの色がきれいなよく笑うひと

この部屋は照明までがわたしのことばかにしているようなんだよね

電話する代わりにコンビニへ出かけた 夜風で少し現実に戻る

いまわたしこのまま冷静をつかめばあなたのことをきらいになれる

朝起きて顔洗ってもおんなじで毎日毎日絶望してる

主役では絶対なくて脇役である気もしない怒る気もしない

こんにちはさようならですませればよかったんだねよかったんだね



+++



なぜだかわからないけれど、
好きな人に彼女やら奥さんやらがいるような歌ならいくらでも出てくる気がします。
きっとあの恋のインパクトは相当だったんだな。

壊れても何度もむりやり直して抱きしめてきた4年間。
決して戻らない4年間。

2009年9月23日水曜日

Unknown

黄色いカーディガン

黄色のもの、と考えてすぐに思い浮かんだのはカーディガンでした。
というか、それくらいしか思い浮かばないほどに黄色いものを持ってませんでした。
黄色はすきです。明るくて、さわやかそうで。
でも身につけるものの色としては敬遠しがちなのかなあ、と思います。

そのカーディガンはたぶん予備校生のときによく使っていた駅ビルで買いました。
だからとてもじゃないけれど高いものとかではなく、どこにでもあるような薄手の、
だけどゆるやかなフォルムがなんとなく気になって灰色と色違いで2着買いました。
ほんとに鮮やかな黄色で、着るととても目立ちます。

普段着るものといえば灰色とかベージュとか黒がどうしても多いので、
着て出かけた日はとてもどきどきしました。

この間タンスから出して久しぶりに袖を通しました。
こんな風にときどき思い出したようにひっぱりだして、そのたびに少しどきどきしながら着ています。
行く先はただの夕飯の買出しでも、散歩でも、
いつもと違う色を着ているだけでちょっとうれしくなります。

普段着ないから色だからこそ、特別なものになるんだなあ、と思います。
気に入ってはいるけれど、ときどきしか着ない。
どきどきするから、ときどきしか着られない。
だけどきっとまた着たいと思う日がくるだろうから、そのときの自分のためにちゃんと大事にしなきゃですね。



いつもより自分をどきどきさせたくて黄色い服を選んでいる朝(藤野唯)


***


ゆびおり短歌のイマイさんと「おすそわけ」という企画を始めました

相手の出したお題にそって日々のことや思い出+短歌を交換日記していきます。
第1回のお題は「黄色」でした

だんだんと素敵な形にしていけたらいいなあ、ということと、
さりげないことや小さなことを見逃さないように書いていきたいです。

次回の更新は約2週間後、イマイさんのブログで、
お題は「鞄」です。

2009鑑賞 005

005*調

調子など狂ってしまえ 咲きたてのパンジーたちとひそひそ笑う (日向奈央)
悪意のある上句ですが、パンジーたちと、という可愛らしさに和んでしまいました。

雨が降る調べてわかることなどに真理はないと嘯く君に (遥遥)
「君」の台詞がすきです。

わたしより愛しいものがあるひとの鼓動の調べ おかえりなさい (田丸まひる)
静かな哀しさ。

「カンパニュラ」名など調べて植えてをり 風と暮らさな 影と遊ばな (迦里迦)
下の句が好きです。リズムも内容も。


2009年9月16日水曜日

甘くて白い幸福な砂糖

一度しか来ない夏の終わりだしあなたに嘘をつくことにする

しあわせになろう 手に入らないから好きだったということを忘れず

悲しくはないけど今日もたべている甘くて白い幸福な砂糖

さよならを言っても信じてくれないね だってどうせまた会うものね

長袖と長い夜がうれしくて片思いしててよかったと思う

おきよめのつもりで歯みがきをしている第3者とキスした翌朝に

ほんとうは仲良くしていてほしいんだ 角のドーナツ屋はきょうも素敵

あの細いうでにも温度はあるのだろう だれかに熱をうつされるのだろう

もし100回うまれかわったとしたって何回あなたとしゃべれるだろう

ぺたんこの靴なら似合うと思ってる ちっぽけなことによりかかりたい

連休がきたってわたしはわたしだしあなたはあの子を愛しているし

1秒でいいから何か思ってよ 今夜はあったかくして眠ろう

あのひとじゃなければこんなに簡単にさわれてしまうことに驚く

心臓はわたしにだってあるのだとちゃんとわかってしまった夜だ



2009年9月2日水曜日

Unknown

今日もまたわたしは誰かを見下して屋上で夕日を眺めたい

似たような男ばっかで似たような女とばっかり抱き合っている

自画自賛する人が嫌いその声を録音でもして聞いててほしい

きみはまたおんなじ理由を押し付けて次の男もそれで別れる

あなたとはちがってヒールもはけないし可愛くないので返してください

ももいろの花びらを全部ちぎりたい わたしあの子がこんなにきらい

最高に調子に乗ってたあの夜のきみに不当な扱いを受けた

コブクロを偶然聞いてしんみりとしたくて夜更かししていたんじゃない


Unknown

004*ひだまり

すこしだけ苦い風邪薬を春のひだまりで溶かす君のはなうた(さかいたつろう)
読んだときさすがだなあ、と思いました。

おだまりよひらひらひらさらさらさらのわたしさかまつげちょっとひだまり (久哲)
これ好きです。「おだまり」と「ひだまり」にちょっとくすっと笑ってしまう。

ひだまりを駆ける子どもの声遠く冷えた布団できみと抱き合う(denkoo)
そのギャップというか、明暗がよくわかる気がして。

美術準備室にひだまり閉じこめて肺に満ちてく石膏のしろ(加藤サイ)
004で一番好きかなあと思いました。



2009年8月31日月曜日

Unknown

鑑賞始めました。
完走できるかわかりませんが、たくさんの方の歌を読んでいきたいです。
この記事では、言葉の選び方がすごいなあとか、好きだなあと思った歌をあげていきます。
失礼等あるかもしれませんが、
よろしくお願いします。



+++



001*笑

やわらかなキッシュの微笑なのでしょう二人の育む言葉の川は(行方祐美)
やさしい空気。

不用意に受け取ってきた微笑みを並べて冬の星座にかえる(新井恭子)
「受け取ってきちゃった」ことに共感。

三日月が笑ってみてる冬空の彼方に消える消える危機感(斉藤そよ)
危機感が意外。

笑われて生きてきました。趣味・特技、特にないです。処女じゃないです。(星野ぐりこ)
初見から度肝をぬかれました。いっきに覚えてしまう。



002*一日

波の数かぞえて冬の砂浜の一日が過ぐ 卵を探す (新井蜜)
夜か明け方かなあ。すごくすきです。

しない日は食べない、だっけ、二人して無花果一つ食べた一日 (木村比呂)
上句も、無花果もいいです。

乳白の花になりたいあの肩にふりそそぎたい終の一日 (田丸まひる)
きれいな画がすんなりうかびました。



003*助

助手として残ることにしたんだねひとつの終わり五年目の春(藻上旅人)
さびしいかんじがすきです。

補助なしでさかあがりしたとき見えた世界のように君が手を振る (ゆず)
ゆずちゃんは「世界」を使うのがうまいと思う。

謝罪からはじめる人についていく宇宙のちりを見る介助犬(日高裕生)
不思議な空気だけど、宇宙が出てきたのがすごい。

くつずれをかくして笑う小春日の坂道いつも助けられてた(はせがわゆづ)
すべてが好みでした。



2009年8月27日木曜日

Unknown

手に入れたくて手に入れたくて掬っても水はそんな色じゃなかった(藤野唯)



かとちえの短歌色物語 最終回テーマ「紺碧」にて、拾っていただきました。
ついに最終回です。
短歌daysにはじまり、短歌教室、短歌ストーリー、短歌色物語、
じつは最終回には採用されない法則があったのでどきどきしましたが、
よかったです。
出血大サービスの力ですね!

歌はもっとさびしさというか、静かさを出せればよかったなあと思ったんですけど、
結局ストレートな文にするしかできませんでした。うーん。


じつはアンコール連載になってから、一度も投稿していませんでした。
更新されても、読みにいきませんでした。ごめんなさい。
そのころ採った採られただとか、採られるための歌だとか、
そういうことようなことに、ちょっと自分の中で葛藤(っていうほどのものじゃなく単なるぐちゃぐちゃ)があったからです。
ちょっと落ち着いたことと、
感謝の気持ちを伝えたいのもあって投稿しました。

かとちえさん、おつかれさまでした。そしてありがとうございました

これからのご活躍もたのしみにしていますね!


2009年8月25日火曜日

万年筆

今年、はじめての万年筆を買いました。
先月に、少しだけ早い彼の誕生日に、なぜかお揃い色違いで。
馴染みのないものだったので、
使いこなせるか、好きになれるか不安でしたが、
慣れないながらも仕事のノートに毎日使って、
今日1本目のインクを終えました。
彼は既に3〜4本目に入ってるみたいですが。

大人になったので、すこしだけいいものにした。
こんなに高いプレゼント買ったことなかったけど、
大切にすればずっと使えるだろうから。
木材なので、使い込んで色が出てくるのが楽しみです。


離れてるふたりのためにお揃いの万年筆はやさしくにじむ(藤野唯)



+++

題詠を走り終わってやっぱり力が抜けてしまった。
まだまだたくさん詠みたいけど、どうしよう。

2009年8月22日土曜日

見沼田圃の畔から

完走いたしました。

今年から社会人になったので、どうなるかと思っていましたが、
去年よりペースを上げて完走することができました。

100首のトラックバックを確認しながら、詠んだ歌を思い出しました。
性、普段言えないこと、好きな人のこと などなど、
今年もたくさんの歌が詠めました。
よかった


また今年も終わってさみしくなるなー!
終わったけど、たくさんまた短歌を詠みたいです。

100:好(藤野唯)

取り消せないふたりにちゃんと朝は来て あなたの「好き」にうなずきました

099:戻(藤野唯)

少しくらいさみしくなってくれますか 年賀状が戻ってきたら

098:電気(藤野唯)

あなたとの静電気だけ都合いい解釈をして走り出す冬

097:断(藤野唯)

切断はできなかった もういちど抱きしめてしまう前に捨てよう

096:マイナス(藤野唯)

プラスマイナス0になると思ってるわけじゃないけど仕返ししたい

095:卓(藤野唯)

君じゃない男の名前をひさびさに卓上カレンダーに書いている

094:彼方(藤野唯)

彼方って言葉を使わないようにしていたほんとに届かなそうで


093:鼻(藤野唯)

ふと思い出して会いにきたよってその鼻にかいてあるよばーか

092:夕焼け(藤野唯)

沈黙が大丈夫になり始めててふたりでまっすぐ夕焼けをみる

091:冬(藤野唯)

冬眠はできない だからあの人と彼女のことも見なきゃいけない

090:長(藤野唯)

長い長い夜にそなえて考えないようにしてきたあなたのことを

089:テスト(藤野唯)

日本史のテストがあってきみの名を書かないように必死だった

088:編(藤野唯)

あの日から編みつづけてる恋がある 渡せなくても知られぬように

087:気分(藤野唯)

今そんな気分じゃないといえばそう これからもずっと嫌いだけれど

086:符(藤野唯)

あのひとの恋にはこたえられなくて 8分音符の流れが止まる

085:クリスマス(藤野唯)

ひとりしかいないあなたはあの人を選んでにじむクリスマスの夜

084:河(藤野唯)

みずからの心のせまさを知っていてさらさらとゆく河をみている


083:憂鬱(藤野唯)

憂鬱な気持ちを隠そうともしないあなたの背中を見ているしかない

082:源(藤野唯)

源に思いをはせる 終わらない情熱のなか意識がとおい

2009年8月17日月曜日

081:早(藤野唯)

早熟のいとこの赤い肩ひもがずれる 「パパには絶対内緒よ」

080:午後(藤野唯)

べったりとはりつく午後だ きみのこと離れなくって買ったサイダー

079:恥(藤野唯)

恥ずかしいだけの思い出もあなたなら話してみよう 梅酒ください

078:アンコール(藤野唯)

合格と共に貼り出された名前見るたび願っていたアンコール

077:屑(藤野唯)

糸屑をあなたの肩から取り払うだけで頭をなでられている

076:住(藤野唯)

一回は叶わなかったものたちを持ち合ってまたはじめる住処(すみか)

075:おまけ(藤野唯)

喜ぶと思うんだろう 毎日のおまけのようなメールする君

074:肩(藤野唯)

いつかまた静かな雨のふる夜は私の肩を抱きたがってね

073:マスク(藤野唯)

いつだって明日(あす)から会えないかもしれない マスクを取ってキスする男

072:瀬戸(藤野唯)

瀬戸際にあなたを一緒に追いつめた彼女と今も仲良しでいます

2009年8月13日木曜日

Unknown

ほんとうはなにをしたいの 夏がすぎ痩せてしまった腕をみている

070:CD(藤野唯)

すっかりとほこりをかぶった思い出をCDコンポと分かち合う夜

069:隅(藤野唯)

乗り換えのアナウンスにしおりをはさむ あなたの隅にいるひとを思う

068:秋刀魚(藤野唯)

いまさらな話をしよう 夕食にあなたの好きな秋刀魚を食べて

2009年8月11日火曜日

067:フルート(藤野唯)

フルートが音楽室から聞こえててあの日好きって言いそうだった

066:角(藤野唯)

傷つけることも出来ないこの角(つの)をまあるくするよう乳液を塗る


2009年7月30日木曜日

065:選挙(藤野唯)

許さないものを抱えて夏がゆく 遠くで選挙カーが鳴ってる

Unknown

大宮に降り立てばまだ制服にリュックをしょった私がいそうで

063:ゆらり(藤野唯)

目で追ったあとに窓の外を見る どこかゆらりと歩く背中だ

062:坂(藤野唯)

汗かいて夏にわざわざのぼる坂わざわざ痛みを思い出すため

061:ピンク(藤野唯)

カーテンをピンクに変えた次の日はアルバム・ミックス・バージョンな気分

060:引退(藤野唯)

引退をしたらしい君の痛そうでさわやかな傷に嫉妬をしました

059:済(藤野唯)

君はもう用済みなんです 何しても許されるとでも思ってましたか

2009年7月29日水曜日

058:魔法(藤野唯)

魔法だなんて笑ってしまう それほどにきっと疲れていたんだわたし

057:縁(藤野唯) 再投稿

結べない糸だってある「これも縁なのかな」なんて笑ってすます

Unknown

ためらってあなたがアドレスくれた日の私をもう一回だけやりたい

055:式(藤野唯)

ふたりきり過ちだらけの式をする罪悪感なんてもうない


054:首(藤野唯)

その首に彼女の指紋をつけたまま抱きたいなんてさらっと言うのね

053:妊娠(藤野唯)

罪深い妊娠だけど殺してはいないのいつでも会いに来てね

2009年7月28日火曜日

Unknown

投稿しようと思っていた歌の二句目が、知っている歌のものと同じということに気づいてとどまってしまった。
頼りないな。

詠めるときは詠めるのに、最近詠めそうで詠めない。どつぼ。



でも短歌は好き。
過去ログを読んでても、短歌なお友達のブログを読んでてもそう思う。
このブログも結構書いたなあ。
実は毎号買ってるN短。
さいきん提案してもらったコラボもやってみたい。
コラボやってみたい人もいる。
さらっとしたものもちょっとおおがかりなものも。
かとちえさんの連載もいよいよ終わってしまうのでさびしい。(なんていうか短歌daysからの連載続きだったので、いつも身近にいるように感じてしまってた。)
短歌を募集している場所そこらじゅうにどんどん投稿する体力も気力もないけれど、歌人さんに短歌見てもらうってすごいことなんだなあ。
短歌を始めたきっかけは高校の友達で、高校の友達は枡野さんや佐藤真由美さんに影響されてて、すこししてから私はちゃんと短歌始めようと思って枡野さんの本を読んで、佐藤さんやかとちえさんの本も読んで集めて、初めて歌をひろってもらったのはかとちえさんだった。
やっぱり枡野ファミリーに救われている。

やりかけのこともたくさんあるけど、ちゃんと形にしたいなあ、
どうにか紙媒体・ブログとかに載せたいです。
そしてやっぱり新しいこともしていきたいなあ。


一気に書いてしまった。
仕事は配属になりました。パソコンやノートと向き合って日々勉強です。
お風呂に入ろう。
明日は新しい服を着ていこうと思います。

2009年7月26日日曜日

Unknown

縄跳びをしながらずっと考えた夕暮れ ともだちってなんだろう

2009年7月17日金曜日

Unknown

7月11日に24歳になりました。
はやいもので年女です。
実はぱふゅ〜ま〜ずのわださんと同じ日です

当日はラッキーなことに土曜日だったので、遊んできました。
遊びながら、
ちょっとくらい疲れても、やっぱり外に出たほうがいいときもあるんだなあと思いました。
研修は大詰めで、ストレスが結構たまっていて、例によって体調も崩していたんですが、その週末は安心したのか元気に過ごせました。


そしてこないだ研修がひと段落着きました。
社会人になって3ヶ月がすぎて思ったことは、
自分をある程度大切にする癖がついていないと、いざというときに本当によくないってことでした。
どうやって立て直していいのかわからない。
上手に甘えるのもなまけるのも大事なんですよね


配属がちゃんときまって、辞令をいただきました。
いつもよくしていただいてる上司のやさしさとかがいっそう伝わった日でした。
もうなんていうかじーんてした。
定年になるまで働いている自分はさすがに想像がつきませんが、
やれるところまでがんばります。



「止んだよ」と傘の下からのぞくひと静かなひかりに泣いた梅雨明け(藤野唯)

2009年7月8日水曜日

Unknown

そういえば、
7月6日はサラダ記念日でした。
だからといって別にサラダを食べたとかそういうわけじゃないんですが。
まだ短歌を始める前、
失礼ですがサラダ記念日が7月何日なのかよく覚えていなくて、
「7月○○○は」だから…3日?5日?みたいな。(リズムだけ覚えてる)
でも中学のとき好きだった人と付き合ってた子の誕生日が7月6日だったので、
それで覚えてしまいました。
(なんという覚え方)
小さい中学だったし、みんな知り合いでみんな友達みたいなもんなんですよね。
当時から波乱万丈……



そういえば、
題詠折り返しました。
早々とゴールしたいとなつさんは鑑賞をはじめ、
わたしはイマイさんの背中を追っています(実は)。
去年と違って着実です。
怒涛の追い込みは…うーん今年はあるのかないのか。
でもやっぱり100首って多いですね。
残り半分、がんばりましょう。



まっ黒いコーラでわたしだけ溶けて世界は変わらなくていいから(藤野唯)

051:言い訳(藤野唯)

言い訳をまだ続けてね白状はまだしないでね壊さないでね

050:災(藤野唯)

��月の災いになる騙すだけ騙して最後は救ってあげる

2009年7月5日日曜日

Unknown

ソムリエになった彼とはもう安い酒は飲めない場末の店で

Unknown

濃厚なガトーショコラを食べたあと私の子宮はあなたに逢いたい

047:警(藤野唯)

安全な場所から警告をしているつもりの君は明日を知らない

2009年6月22日月曜日

はじめまして。

姫というあだ名の女の子が苦手あの長い長いまつげが苦手

大きな大きなカバのあくびを見ていたい あなたのことを知らないままで

潮風につーんとしたくてゆっくりとこの階段をぜんぶのぼろう

同情を通り越した感情を持っていたことに気づいてしまった

最愛の人が死ぬものがたりが嫌い泣きたいだけの人間が嫌い

1行の返信に打つかなしみとよろこびをただ許してしまう

わすれるよ でも今思う帰れなくなったあの日も君の伏せた目も

明け方のあのあやまちのあと何をおもっていたのか聞かなかった

お姫さまって どんなんだろうあなたとか手に入ったりするんだろうか

性欲も嫉妬も全てとおりすぎた嵐のあとも てをつなぎたい

さようならさようならばいばいばいばい何回言ってもやすっぽいんだ

防波堤の上で破裂したように泣いた、しぼんでからも泣いた


それでも やっぱり洗い落とせていない爪にはいった いくつもの砂

2009年6月12日金曜日

046:常識(藤野唯)

常識とわめき散らす君がいて君と別れない私がいて

045:幕(藤野唯)

いつだって舞台袖で幕を下ろしていたのは涙目のきみ

044:わさび(藤野唯)

思い出してずっと泣いていたいのでわさび多めに豆腐にそえる



043:係(藤野唯)

助けたいなんて言えないからせめてお菓子をあげる係になろう

042:クリック(藤野唯)

あの手紙ひらくのが怖かったから右クリックで保存しました

2009年6月2日火曜日

041:越(藤野唯)

もうそばにいないあなたを越えてゆく私をたまには思い出してね

2009年6月1日月曜日

040:すみれ(藤野唯)

まっすぐに見てはすれ違えないから ほのかなすみれの匂いをさせて

039:広(藤野唯)

薄くひらいたくちびるで肌をなぞるひと 決して広くはない海のなか

038:→(藤野唯)

方向を3秒間で決める(→)流産なんて絶対しない

*→は右(みぎ)と詠みました。

2009年5月28日木曜日

ほろ酔い(題詠2009より)

今まで詠んだ歌の背景とか、ちょっと書いてみようかなと思います。
完全な気まぐれですが(笑)
今日はさいきん詠んだ題詠2009から2首。


まだほんの序章なのだと気づいてる 嵐のまえのほろ酔いのよる(034:序)

恋かな、そうじゃないかな?という時期は、ほろ酔いに似てると思います。
その人に会ったり話したりすると、なんだか落ち着かなくて、ふわふわしていて。
またそういう時期の、なんでもない飲み会の帰りに、
ぼーっとしながらその人のことを思い出したり。
だけど、これはまだほんの序章、
これから恋が始まることも、うれしいこと悲しいこと含めてたくさんのことがやってくるのも、ちゃんとなんとなくわかっていることを詠みました。



さらうことすらできないくせに君のその恋も嫉妬も忘れられない(011:嫉妬)

ある救われない恋に傷付いている男の子がいて、
その哀しみにほんとうは惹かれていました。不謹慎だけど。
だけど結局、なにもしてあげられなかった。
逆に傷つけてしまったくらいで。
だけどほんとは、あの姿がずっと残っていました。
なにもしてあげられない人間は、なにもしてあげられないなりに、
何も言わずにいるべきなんだということを改めて思いました。
さらうこともできないくせに、中途半端に近づいてしまった自分が嫌いでした。





「しあわせになって」はひどく他人事とわかっていても願ってしまう(藤野唯) 

2009年5月24日日曜日

037:藤(藤野唯)

愛されてみたかったんだ 藤の咲く下で静かに破裂する卵(らん)

036:意図(藤野唯)

意図的にあなたの癖をくりかえす うつってなくても うつしてなくても

035:ロンドン(藤野唯)

ロンドンに行くつもりはない 私にはお金もないしあなたもいない

Unknown

熱を出しました。
微熱より少し高めの(当社比)

でも発熱したのが金曜日だったので、
休日ゆっくりしてだんだん治ってきました。
さっきちょっとだけ部屋の片づけをして洗濯機のスイッチを入れたら、
ちょっとだけくらくらしたので座ってます。

こんな日はまた寝て短歌詠んでゆっくりしよう、雨だし。


さいきんストレスがたまってた気がするので知恵熱かな(笑)


明日からはまたお仕事なので、しっかり治して行きたいです。
もうちょっと、力抜いていこう。




発熱はいつも遠い日の夢をみているようでさらに寂しい(藤野唯)



2009年5月10日日曜日

034:序(藤野唯)

まだほんの序章なのだと気づいてる 嵐のまえのほろ酔いのよる

033:冠(藤野唯)

銀色の冠よりも一匹の羊がほしい さびしいのはいや

Unknown

おひさしぶりです。
新居にてやっとネットがつながりました。

このひとつき半のあいだ、
お引越ししたり、社会人になったり、いとなつさんからいとなつさんとゆずちゃんの歌集を頂いたり、岡本さんの付け句に携帯から投稿したりしました。

仕事が始まったばかりのときは、もうなんか希望も夢もないくらい疲れてたんですけど(特に最初の一週間)、リズムが着いてきたようです。
短歌のお友達は社会人の方のほうが多いので、皆さんにアドバイスもらったり励ましてもらいながらがんばりたいです(笑)

短歌はまたのんびり詠んでいきたいです。
こないだ一首、ひさびさにけっこう集中して作ったので、のちのちその紹介が出来るといいなあ。
題詠もまた動かなきゃ。




今日はマンションから出たら空気がむわっとしてました。
確実に、夏は来てるんですね。


2009年3月24日火曜日

032:世界(藤野唯)

ああそっかはじめから決まっていたのか 波の音、君こそ世界の果て

031:てっぺん(藤野唯)

てっぺんに向かうあなたを追いかけて2番を取ります手は離しません

030:牛(藤野唯)

小さくて牛乳嫌いでO脚の彼女に捧げる歌リンダリンダ!

029:くしゃくしゃ(藤野唯)

綺麗だと思ってしまった くしゃくしゃの彼女の笑顔くしゃくしゃの私


2009年3月23日月曜日

028:透明(藤野唯)

大好きな彼は透明になったのあなたには見えていないでしょうけど

027:既(藤野唯)

既にもう嫌われてるの知ってるけど先に嫌いって言ってやりたい

2009年3月14日土曜日

026:コンビニ(藤野唯)

わがままな彼女のためにコンビニでチロルチョコ30個買う君

2009年3月13日金曜日

025:氷(藤野唯)

まだ君に合わせられる顔がなくて 慣れないコーラの氷を噛んでる

024:天ぷら(藤野唯)

口に出さなくなった分の感情はやさしい天ぷらを揚げるために

023:シャツ(藤野唯)

「おいで」って言って あなたに触れていないほうの手でシャツのボタンを外す

022:職(藤野唯)

ピコピコな音楽を聴いて歩く朝 職を探してる猫に出会った

2009年3月12日木曜日

021:くちばし(藤野唯)

くちばしを冷やしたままで眠る人 もう何もないと言い残しながら

020:貧(藤野唯)

もう保健室はないのに貧血と言ってもどこにも逃げられないのに

2009年3月11日水曜日

019:ノート(藤野唯)

放課後の廊下でノートの切れ端にラブレターの返事をもらった

018:格差(藤野唯)

花の匂いする子の背中 教科書の格差の2文字見ないふりした

2009年3月9日月曜日

017:解(藤野唯)

さっきから目が泳いでる君のこと 信じていないけど解ってる

2009年3月8日日曜日

015:型(藤野唯)

どんなひどいセリフだってひつじの型で抜いて飾っていた恋だった

016:Uターン(藤野唯)

��ターンして走ってく 半ドアのきみのところに指を挟みに

014:煮(藤野唯)

浅はかな間違いもすぐに忘れずに 煮物が好きな猫と暮らしたい

013:カタカナ(藤野唯)

ひとりでもかまわないんだ ほそぼそとカタカナでそっと歌っていよう

Unknown

不動産屋に行ってお部屋を見てきました。
個人的にはとても素敵なお部屋だったので、ここに決まればいいなあとはおもう。

4年間慣れ親しんだこの部屋ともさよならです。
そして第3のふるさとになる場所へ。


中学を卒業して、
高校を卒業して、
大学を卒業する。

一つの学校を出て行くたびに、未熟だった自分が見えて、
それは今もほとんど変わらない。
もう学校は、ないのにな。
わたし
やっぱりひねくれたところがたくさんあって、
時々思い出して「ああ…」ってなる。
ちゃんと伝えたいこととか、あるんだけどな。いつもそう。


だけど、
歌いながら、またがんばっていこう。

2009年3月6日金曜日

012:達(藤野唯)

「友達じゃなくなったの今日」リフレインする彼女の声 しましまくつした

011:嫉妬(藤野唯)

さらうことすらできないくせに君のその恋も嫉妬も忘れられない

010:街(藤野唯)

あの街で泣いてすがったこととかがふとよぎっていく 倒れたグラスで

009:ふわふわ(藤野唯)

ふわふわと笑う廊下 この人を好きになれたら楽だったのに

Unknown

わたしだけの熱でここまで永らえてくれた恋に白椿を飾る


2009年2月25日水曜日

007:ランチ(藤野唯)

見ないふりしたからもっと深く深くランチョンマットについた悲しみ

006:水玉(藤野唯)

水玉のシャツが可愛いと思った 何も守れない私のままで

Unknown

言い出せないことをぐるぐる考えて花の名前を調べる帰り

2009年2月13日金曜日

004:ひだまり(藤野唯)

ひだまりのような彼を今日もまた見ているだけのO脚の彼女

2009年2月10日火曜日

003:助(藤野唯)

またどうせ喜んでしまう私には助けてなんていう資格はない

2009年2月9日月曜日

002:一日(藤野唯)

一日中君にもらった溶けかけのチョコレートのこと考えていた

2009年2月7日土曜日

001:笑(藤野唯)

愛されないまま笑ってた恋だからどうかこの手でちぎらせてほしい

わー

題詠マラソン2009、参加いたします。
どうぞよろしくお願いします。



+++


卒論に明け暮れ、体調を崩し(泣)、
とてもめちゃくちゃな時期ですが、
去年の100首を読み直して決めました。
今年もどこまでいけるかわかりませんが、またほそぼそと詠んでいきます。
思いがけない歌に出会えますように。
そして、皆様とともに、いい旅になりますように。

2009年1月14日水曜日

ピンときました(笑)

ちょっといろんなことで余裕がないです。
短歌のことも。
でも元気といえば元気です。

少しの間留守にするかもしれません。
また短歌ができ始めたらぽつぽついきます。






2009年1月2日金曜日

Unknown

明けましておめでとうございます

実家でゆっくりしているふじのです。
楽しみにしていた箱根駅伝を見つつ。
まああと数日でまた東京に戻らなきゃなので、しばらくはいいよね
向こうに戻ったら3月頭まで卒論の戦いなので。。。





一輪でいいから小さくて綺麗な花を植えられる年にしよう

また1年かみさまに時間をもらえた 素敵な年になりますように





就活と研究室に追われた去年でしたが、
今年は今年で社会に出ます。
また数え切れないほどのいろいろがあるだろうけれど、
よい年になりますように。