2009年6月22日月曜日

はじめまして。

姫というあだ名の女の子が苦手あの長い長いまつげが苦手

大きな大きなカバのあくびを見ていたい あなたのことを知らないままで

潮風につーんとしたくてゆっくりとこの階段をぜんぶのぼろう

同情を通り越した感情を持っていたことに気づいてしまった

最愛の人が死ぬものがたりが嫌い泣きたいだけの人間が嫌い

1行の返信に打つかなしみとよろこびをただ許してしまう

わすれるよ でも今思う帰れなくなったあの日も君の伏せた目も

明け方のあのあやまちのあと何をおもっていたのか聞かなかった

お姫さまって どんなんだろうあなたとか手に入ったりするんだろうか

性欲も嫉妬も全てとおりすぎた嵐のあとも てをつなぎたい

さようならさようならばいばいばいばい何回言ってもやすっぽいんだ

防波堤の上で破裂したように泣いた、しぼんでからも泣いた


それでも やっぱり洗い落とせていない爪にはいった いくつもの砂

2009年6月12日金曜日

046:常識(藤野唯)

常識とわめき散らす君がいて君と別れない私がいて

045:幕(藤野唯)

いつだって舞台袖で幕を下ろしていたのは涙目のきみ

044:わさび(藤野唯)

思い出してずっと泣いていたいのでわさび多めに豆腐にそえる



043:係(藤野唯)

助けたいなんて言えないからせめてお菓子をあげる係になろう

042:クリック(藤野唯)

あの手紙ひらくのが怖かったから右クリックで保存しました

2009年6月2日火曜日

041:越(藤野唯)

もうそばにいないあなたを越えてゆく私をたまには思い出してね

2009年6月1日月曜日

040:すみれ(藤野唯)

まっすぐに見てはすれ違えないから ほのかなすみれの匂いをさせて

039:広(藤野唯)

薄くひらいたくちびるで肌をなぞるひと 決して広くはない海のなか

038:→(藤野唯)

方向を3秒間で決める(→)流産なんて絶対しない

*→は右(みぎ)と詠みました。