2009年9月25日金曜日

Unknown

正妻のことは知ってるくちびるの色がきれいなよく笑うひと

この部屋は照明までがわたしのことばかにしているようなんだよね

電話する代わりにコンビニへ出かけた 夜風で少し現実に戻る

いまわたしこのまま冷静をつかめばあなたのことをきらいになれる

朝起きて顔洗ってもおんなじで毎日毎日絶望してる

主役では絶対なくて脇役である気もしない怒る気もしない

こんにちはさようならですませればよかったんだねよかったんだね



+++



なぜだかわからないけれど、
好きな人に彼女やら奥さんやらがいるような歌ならいくらでも出てくる気がします。
きっとあの恋のインパクトは相当だったんだな。

壊れても何度もむりやり直して抱きしめてきた4年間。
決して戻らない4年間。

4 件のコメント:

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    ここでは久々に書き込みします。
    やっぱり唯ちゃんのこのジャンルの短歌すきだなあ。説得力があったのは実感がこもっていたからだったのね。

    あと関係ないけど、唯ちゃんの作品の雰囲気って、島本理生の小説の雰囲気に似ていて素敵だなーって思います。
    実際あまり島本理生は読んだ事ないんだけど、それこそ冷静で寂しさを押し込めてる女の子が出てくるところが。

    良いことなのか悲しいことなのかよく分からなくなるけど、ほんと、短歌にすると全てはすてきな物語になってしまうよね。

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    えいみー

    コメントありがとう。
    たぶん自分の中でもこのジャンルはいちばん実感のある歌のような気がします。
    だからそう言ってもらえてうれしいな。

    島本理生2冊くらい読んだことあるよ。
    淡々としてて静かで悲しくて、初めて読んだとき自分の求めてる?というか、これが読みたかった表したかった、っていう空気だって思えた。

    ほんと、短いからかな?
    実際はそんなでもなくってもっとどろどろで苦しかったりするのにね。
    でも自分の中でも過ぎたことってどんどんきれいになっちゃって、
    ほんと良いのか悪いのか。笑

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    相変わらずうまいね。
    こういう短歌は女にしか書けないのかな
    桐野夏生を思いだしました

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    桐野夏生よんだことないなあ。
    でもなんとなく狂気にあふれてそうなイメージ。

    ありがとう。
    女にしか書けないものが書きたいけど、そのまま出せばいいってものじゃないよねー。むずかしいな。

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